地盤調査のコラム
地盤調査の不正に遭わない方法は?過去の事例と一緒に解説
地盤調査を依頼するにあたって、改ざんなどの不正を行わない、信頼できる会社を適切に選定することが重要です。土地の強固さは、住まいや店舗などあらゆる建物の安全性に影響するため、安心できる土地を選ばなければなりません。
そこで、今回は地盤調査の不正に遭わないための方法を紹介します。過去に国内で発生した不正事例とともに詳しくお伝えしていくため、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも地盤調査とは?
地盤調査は、地中内部の状態を調べて安全性を確認する作業です。地上からは硬い土地に見えても、地中に柔らかい砂や粘土が含まれている可能性もあるためです。
こうした軟弱層が含まれている場合、建物自体の重さや地震などの災害によって、建物の傾斜や倒壊のリスクが高まります。そのため、地盤調査は建物を建てるうえで、非常に重要な役割を担っています。
国でも事前の地盤調査を法で義務付けており、軟弱な地盤であると判明した土地に対しては、地盤改良を施すなどの対策をとることが一般的です。
また、地盤調査のデータを改ざんするなどの不正行為は違法にあたります。不正データのまま建物を建てた場合は、調査会社だけでなく、建築に携わった関係者も法的責任を追及されるなど、大きな影響を与えます。
地盤調査データ改ざんの事件概要
2021年に発覚した愛媛県松山市の地盤調査データ改ざん事件は、調査で必ず行う試験を実施せず、報告書を作成する際に修正機能を使って加工したという、一部の調査会社元社員が単独で行った不正事件です。
調査を実施しなかったことで不足したデータは、当該の土地と異なる場所のデータを付け足し、調査の基準を満たすよう変更していました。
この事件では、柱状図と報告書で邸名が異なることに気づいた責任者によって改ざんが発覚しましたが、多くの場合は報告書を見ても不正を見抜くことが困難です。さらに、報告書を作成するソフトには修正機能が付帯していることから、誰でも改ざんできる環境があったといえるでしょう。
また、同事件では、建築士にも建築基準法との適合性を確認する責任があると判断されています。こうしたことから、地盤調査のデータ改ざんは調査会社の信用を損ねただけでなく、建築士をはじめとする関係者にも大きな波紋を及ぼしました。
もしも、誰も改ざんに気づかずにそのまま建物を建てた場合は、建築士をはじめとした多くの現場関係者が非常に重い責任を問われる可能性があります。
地盤調査の不正に遭わない方法は?
地盤調査での不正に遭わないためには、調査会社選びが重要です。では、どういった基準で調査会社を選べばよいでしょうか。ここでは、不正を避けて優良かつ信頼できる調査会社選びのためのコツを紹介します。
全自動の調査機や第三者による解析があるか
地盤調査は、スクリューウエイト貫入試験やボーリング試験などを中心に行われます。これらを含む調査全体として、調査機はどのようなものを用いているか、また、第三者機関による解析実施が行われているか確認しましょう。
愛媛県松山市での不正事件は、人の手による作業部分の多さから、作業を省略しようと考えた社員によって引き起こされました。こうした問題点への対策として、不正を行いにくい調査機を指定することもひとつの有効手段です。
また、調査の実施確認とデータの解析が同時にできるよう、取得したデータをリアルタイムで第三者に送り、解析できるシステムがある点もチェックしておきたい項目です。調査の実施確認ができるとともに、業務の効率化も実現できます。
こうしたシステムが整備されているか、調査会社のホームページやインターネット上の口コミなどでチェックするほか、調査会社へ直接問い合わせてみましょう。
地盤保証があるか
地盤保証とは、地盤調査や地盤改良を行ったにもかかわらず建物が不同沈下するなどの損害が発生した場合、地盤調査や地盤改良を実施した会社が建物および地盤の修復を保証するものです。
地盤調査・地盤改良に対する保証を提供している会社はたくさんあるため、保証内容をすみずみまで確認し、比較検討のうえで信頼できる地盤保証をつけることが大切です。
確かな実績があるか
地盤調査数が多いかどうかも必ずチェックしておきたい項目です。実績が多いということは、それだけ多くの経験があり長く信頼されつづけている会社だといえます。
できるだけ長く運営している会社であることもチェックポイントです。地盤調査は建物を建てるうえで重要なステップのため、必ず信頼できる確かな会社を選びましょう。
マイホームをはじめとした建物を建築する際は、用途地域の確認も重要です。こちらの記事では、用途地域全13種類それぞれの特徴を解説しています。
まとめ
今回は地盤調査で不正に遭わないための方法を、実際の事例とともに解説しました。
調査を手掛ける会社も多くありますが、改ざんなどの不正ができてしまう環境にあるため、不正できないシステムを徹底している調査会社に依頼するのがおすすめです。
さらに、調査データの数値や記述内容の正確性はもちろん、周辺状況や測点ポイントごとの写真も重要です。東西南北すべての背景や風景が実際のものと合致しているか、必要な写真が漏れなく揃っているかも大いに重要になります。
ワールドシェアセリングは、地盤調査や解析をはじめ、ユニットハウスや省エネ計算などを手掛けています。法令遵守はもちろん、各指針や基準に基づいた高度地盤解析を多数行っています。
事前調査から調査実施、第三者による解析実施、最長20年の地盤保証までワンストップで提供しています。これからマイホーム建築を検討している方は、ぜひワールドシェアセリングにご相談ください。