省エネ計算コラム

【住宅注文】外皮性能を計算する方法は?

【注文住宅】外皮性能を計算する方法は?

外皮性能とは、注文住宅の断熱に関わる計算方法です。外皮性能を計算する方法は、主に熱損失を評価することで算出できます。
断熱性能は、建材の熱伝導率や厚さ、気密性は窓やドアの開口部などの構造に影響されます。外皮性能の計算は、住宅の品質向上とエネルギー効率化に欠かせません。
本記事では、外皮計算の方法や依頼方法について詳しく解説します。まずは、外皮計算について理解していきましょう。

外皮計算とは?

外皮計算は、建物の外部構造や断熱性能を評価し、建物全体のエネルギー効率や省エネルギー性を算定します。主に住宅や建築物において、室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標で、快適な室内環境を確保するために行われます。
エネルギー損失を最小化し、環境への負荷を軽減する効果的な設計が可能となります。まずは、外皮計算について解説します。

外皮計算について

外皮計算は外皮平均熱貫流率(UA値)と冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)を算出するための計算方法です。UA値は従来の熱損失係数(Q値)に代わる指標で、数値が小さいほど建物の性能が高いことを示しています。
建物の外皮面積における各部位からの熱損失を合算し、その結果を外皮面積で割って求めます。外皮は外壁・床・天井・屋根・窓・ドアなどの熱的境界を指し、UA値の算出時には換気による熱損失は考慮されません。
従来のQ値計算とは異なり、UA値は床面積の影響を受けにくく、建物規模による偏りが少ない特徴があります。

外皮性能を計算するための方法

外皮性能を計算するためには、建物の断熱や気密性などの要素を総合的に考慮する必要があります。複雑な計算を行うには、計算ツールや専用のソフトウェアが必要です。
断熱性能の計算には、使用される建材の熱伝導率や厚さ、気密性の評価には窓やドアの開口部などが影響します。外皮性能の計算を行う方法を以下に紹介します。

計算方法

外皮性能の計算方法は、国土交通省によって定められた省エネルギー基準に合致するかを確認する手法です。2025年4月から建築物の省エネ基準適合義務化によって、住宅の断熱性能を数値として算出し、これにもとづいて住宅を建てることが可能かどうかを判断されます。
以下では、外皮性能の計算方法について詳しく解説します。

平均日射熱取得率

平均日射熱取得率は、建築物が太陽光をどれだけ取り入れ、利用するかを示す指標です。窓や外壁などの建材や構造が太陽光をどれくらい吸収し、内部に熱を供給するかで決まります。
高い平均日射熱取得率は冬季において有利に働き、暖房コストを削減に好影響を与えます。しかし、日当たりがよい分、夏季には冷房負荷が増える可能性があります。
計算方法は「部位ごとの日射取得量÷外皮面積の合計」で算出できます。

外皮平均熱貫通量

外皮平均熱貫通量は、建築物の外部構造や断熱性能を示す指標で、単位面積あたりの熱がどれだけ外部から内部に伝わるかを表します。この値が低いほど、建物は熱損失を最小化し、エネルギー効率が向上しています。
外皮平均熱貫通量は断熱材や窓などの建材の熱伝導率や厚さなどに影響されます。建築設計やエネルギー効率向上の観点から、外皮平均熱貫通量の低減が重要視されています。
外皮平均熱貫通量の計算は「単位温度差あたりの外皮総熱損失量÷外皮面積」で算出できます。

専門家に相談してみる

外皮性能の最適化や改善に関する課題や疑問がある場合、経験豊富な専門家に相談することで、効果的な解決策を導き出してくれます。専門家は建築設計や省エネルギー対策において豊富な知識を有しており、的確なアドバイスを行ってくれます。
時間を有効に活用したい施工主や設計者は、専門家に相談してみましょう。

外皮計算ソフトを使用する

外皮計算ソフト用のソフトウェアは、建物の外部構造や断熱性能などの要素を計算し、エネルギー効率や省エネ設計を支援します。
どなたでも無料で利用できる外皮性能計算ソフトとしては「エネボス」「QPEX」などが公開されています。

外皮計算マニュアルを使う

計算方法は、各外部構造の面積を計算し、それに部材の性能値と補正係数をかけます。次に、得られた数値を外部構造の総面積で割ると、外部構造の平均熱伝達率(UA値)および冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)を算出できます。
しかし、国土交通省によると、たとえ建築士であっても正確に外皮計算を行える方は、全国でも半数ほどとの調査結果が出ています。そのため、専門家に相談することをおすすめします。

一次エネルギー消費量計算プログラムについて

一次エネルギー消費量計算プログラムは、建築やエネルギー効率の評価において極めて重要です。建物の設計や運用における一次エネルギー消費量を計算し、エネルギーの効率的な利用をサポートします。
ここからは、一次エネルギー消費量計算プログラムについて詳しく解説します。

一次エネルギー消費量計算プログラムとは

一次エネルギー消費量計算プログラムは、建築やエネルギー効率の評価に用いられるツールです。エネルギー消費量の算定には、通常、計算プログラムが利用されます。
仮に簡易計算の結果が要求された評価に達しない場合、より複雑な条件を設定して計算を行うことで、目標の評価結果に近づきます。
無料版のさまざまな計算プログラムが存在しますが、より正確な結果を得るには、省エネ計算代行の利用をおすすめします。

一次エネルギー消費量

一次エネルギー消費量は、エネルギーを取り込んで利用する際に最初に必要なエネルギーの総量を指します。エネルギーの取得から変換、利用までの全工程におけるエネルギーの総計が一次エネルギー消費量となります。
一次エネルギー消費量は、エネルギーの効率や持続可能性を評価する上で重要であり、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの導入などに関係します。

省エネルギー基準に準拠したプログラムの探し方は?

エネルギー消費量の計算プログラムは、ウェブ検索を利用して見つけられますが、具体的な入力手順や使いやすさに関しては判断が難しい部分であります。
計算結果が理解しやすいプログラムとして、一般財団法人住宅・建築 SDGs 推進センターが提供している「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」があります。同プログラムを使用することで、計算結果はだけでなく、公的な届出や補助金の申請にも活用可能となります。

一次エネルギー消費量計算プログラムの使い方

先ほど紹介した「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」で使い方を解説します。まず「エネルギー消費性能計算プログラム」をクリックし、使用許諾条件の確認画面を表示します。
「使用許諾条件に同意する」をクリックすると、計算のための入力画面に進みます。ここで、「簡易入力画面」と「詳細入力画面」のどちらを選択するかを決定します。以降は順を追って数値を入力し、該当項目を選択していくプロセスです。
すべての項目に入力が完了したら「計算」ボタンをクリックするだけで、計算結果が表示されます。

一次エネルギー消費量計算プログラムの入力項目

「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」では、主に11項目の情報を入力します。基本情報として、住宅の主たる居室面積や地域区分、年間日射地域区分を指定します。
次に外皮に関する情報として、外皮面積や外皮平均熱貫流率などを入力します。また、具体的な暖房設備や冷房設備などの仕様やカタログ数値も必要になります。
太陽光以降の項目は、該当する場合に必要な情報を提供します。全体的に、質問に答える感覚で順次情報を入力し、該当しない項目はスキップできます。

ここまで外皮性能の計算方法を解説しましたが、こちらでは省エネ計算について、適合義務化で戸建て住宅が対象になるか解説します。併せてご覧ください。

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