危険物倉庫を建築して導入しようと考えた際、よく確認しておかなければならないのが費用に関することです。坪単価はどれくらいなのか目安を確認しておきましょう。
この記事では、危険物倉庫の建築にかかる坪単価について知りたい方のため、金額や運用で発生する費用の内訳などについて解説します。できるだけ建築費用を抑えるポイントや、建築時の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
危険物倉庫の建築にかかる坪単価
危険物倉庫に限定した坪単価を示すのは難しいのですが、
以下は国土交通省が発表している倉庫全体を見た際の坪単価です。
構造 | 2023年 | 2024年 |
木造 | 45.8万円 | 51.8万円 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 46.9万円 | 117.2万円 |
鉄筋コンクリート造 | 54.6万円 | 68万円 |
鉄骨造 | 54.5万円 | 59.2万円 |
コンクリートブロック造 | 79.4万円 | 84.8万円 |
その他 | 34.8万円 | 33.1万円 |
危険物倉庫は一般的な倉庫と比較して厳しい基準を満たさなければならないこともあり、上記よりも建築費用が高めになっています。そのため、上記よりも坪単価は高額です。
具体的には倉庫を建築する地域や、土地、どのような規模・仕様にするのかによっても変わってきます。
なお、上記表を見てみると、2023年調査と比較して2024年調査ではその他以外で坪単価が高くなっている状況です。これは近年の物価が高騰している影響を受けてのことといえるでしょう。
今後も物価は変化していくと考えられるため、どの程度費用がかかるのかは本格的に建築を検討するタイミングでよく確認しておくことをおすすめします。
(※)3表:用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額
(※)3表:用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額
固定費
固定費は、以下のようなものです。 【代表的な固定費】- 減価償却費
- 固定資産税
- メンテナンス費用
- 火災保険などの保険料
- 倉庫運用に必要な人件費
変動費
変動費として、以下のようなものが挙げられます。 【代表的な変動費】- 光熱費(電気・ガス・水道)
- 消耗品費
- 作業員の人件費
- 輸送や物流に関するコスト
- 各種リース料や維持費
危険物倉庫の建築費用を抑えるためには
危険物倉庫の建築費用を抑えるには、倉庫に預け入れる荷物の量を明確にし、必要最小限の広さにすることで建築費用を抑えられます。また、複雑な仕様にするとそれだけ費用がかかるため、シンプルな仕様にするのも効果的です。 危険物倉庫は危険物を取り扱うこともあり建設において基準が定められていますが、法令上必須な設備のみに絞ることで建築費用を抑えられます。 また、建築において地盤改良が必要な土地を選ぶと、地盤改良工事だけで数千百万円~数千万円かかるので、地盤改良が不要な土地を選ぶことも大切です。 それから、危険物倉庫の販売を行っている専門業者に相談し、建築費用を抑えるためのアドバイスを受けることもおすすめします。危険物倉庫を建築する際の注意点
危険物倉庫を建築する際、どうしてもコストのことばかり考えてしまう方もいるでしょう。 コスト面だけでなく、法的基準の遵守や耐久性を考慮した施工手法の選定も重要です。危険物倉庫としての基準をクリアする
危険物を取り扱う倉庫の場合、消防法によって定められたさまざまな基準をクリアしておかなければなりません。 たとえば、以下のようなものです。 【消防法で定められる基準】- 周囲の建物・施設から一定の保安距離を確保すること
- 敷地内に貯蔵量や倉庫の構造に応じた一定の保有空地を確保すること
- 軒高が6m未満の平屋であること
- 床面積は1,000㎡以下であること
- 壁や梁、床が耐火構造であること
- 屋根には軽量金属板等の不燃材料を用いていること
- 一定の消火設備を設置すること