組み立て式ユニットハウスとは|費用・組み立て手順などを解説

組み立て式ユニットハウスとは|費用・組み立て手順などを解説

組み立て式ユニットハウスは、低コストで建物を設置できるとして人気が高い工法です。
目的に合わせて柔軟な設計にできるうえに、簡単に組み立てられるので、さまざまな場面で活用されています。

本記事では組み立て式ユニットハウスの特徴・費用・組み立て手順などを解説します。
法律や税金に関連する注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

組み立て式ユニットハウスとは

組み立て式ユニットハウスは、プレハブ工法の一種です。

工場であらかじめ製造された壁パネル・床・屋根・柱といった部材を運び込み、現場で組み上げて建物を完成させる点が特徴です。

組み立て式ユニットハウスの仕組みと特徴

組み立て式ユニットハウスの最大の特徴は、その柔軟性にあります。
個々の部材が独立しているため、トラックが入れないような狭い場所でも、部材を手で運び込んで組み立てられます。

これにより、設置場所の制約が少なく、都市部の狭小地や庭の奥まったスペースなど、さまざまな場所に対応できる点が組み立て式ユニットハウスの魅力です。

プレハブハウスとの違い

プレハブとは、部材をあらかじめ工場で生産するプレハブリケーション工法の略称であり、その工法を用いて作られたのがプレハブハウスです。
組み立て式ユニットハウスは、プレハブハウスの一種として扱われます。

なお、プレハブハウスには、ほかにも木質系・鉄骨系・コンクリート系といった構造による分類があります。

通常のユニットハウスとの違い

ユニットハウスは、工場で部屋の形(箱型ユニット)まで完成させてから現場に運び、クレーンで設置するユニット式が一般的です。

これに対し、組み立て式は部材の状態で運び、現場で一から形にしていきます。

組み立て式ユニットハウスの種類

組み立て式ユニットハウスの種類は以下のとおりです。

種類特徴用途
簡易型ユニットハウス・組み立て
・撤去が容易
・断熱性や防音性は最低限
・仮設事務所
・倉庫
・イベントスペース
高機能型ユニットハウス・快適性
・居住性が高い
・法規対応(建築基準法)を前提とするケースも多い
・事務所
・休憩所
・宿泊施設
連結型ユニットハウス・レイアウトの自由度が高い
・将来的な増設や縮小が可能
・事務所
・店舗
・学校
・病院
カスタマイズ型ユニットハウス・電気、水回り、内装の自由度が高い
・長期利用や常設利用に向く
・店舗
・事務所
・住宅
・特殊用途施設
コンテナハウス(参考)輸送用コンテナを再利用した建築物で、ユニットハウスと混同されやすいが、構造・法規・施工方法が異なる場合がある。

※自治体によっては建築確認が必須となる。
・倉庫
・事務所
・店舗
・住宅

上記に加え、鉄骨造・木造の構造の違いもあるので注意しましょう。

組み立て式ユニットハウスのメリット

組み立て式ユニットハウスのメリットは以下のとおりです。

  • 柔軟に設置場所を決められる
  • 設計の自由度が高い
  • 低コストなうえに短期間で工事できる
  • 品質が安定している
  • 移設や増改築が容易にできる

それぞれのメリットについて、順番に解説します。

柔軟に設置場所を決められる

組み立て式ユニットハウスの最大のメリットは、設置場所の柔軟性の高さです。
部材ごとに搬入するため、クレーン付きの大型トラックが入れないような狭い道や障害物が多い場所でも設置が可能です。

通常のユニットハウスでは対応できない場所でも設置できるため、さまざまな用途に応えられます。

設計の自由度が高い

組み立て式ユニットハウスは個別の部材を組み合わせるため、間取りや窓やドアの位置などを比較的自由に設計できます。
敷地の形に合わせた変形プランや、将来的な増改築にも対応しやすいのが魅力です。

多様なニーズに対応しやすいのは、組み立て式ユニットハウスならではのメリットです。

低コストなうえに短期間で工事できる

工場で規格化された部材を大量生産するため、組み立て式ユニットハウスなら建築費用を抑えられます。
また、現場での作業が組み立て中心なので工期が短く人件費も削減できるため、トータルコストを節約できます。

よりスピーディーに建物を設置したいなら、組み立て式ユニットハウスは有効な手段です。

品質が安定している

組み立て式ユニットハウスなら、部材が品質管理の行き届いた工場で生産されるため、品質が均一で安定しています。
天候や職人の腕によって品質が左右されやすい在来工法に比べて安心して購入できる点もメリットです。

また、同一の仕様の建物を多く設置する際にも役立ちます。

移設や増改築が容易にできる

ボルト接合などで組み立てられているため、組み立て式ユニットハウスは一度建てた後でも解体して別の場所に移設することが比較的簡単です。

また、同じシリーズのパネルを追加して部屋を拡張するなど、状況の変化に合わせた増改築にも柔軟に対応できます。

組み立て式ユニットハウスのデメリットと対策

多くのメリットがある一方で、組み立て式ユニットハウスにはデメリットも存在します。

デメリットと具体的な対策をしっかり確認しておきましょう。

標準仕様だと断熱性が低い

組み立て式ユニットハウスを含め、プレハブ建築の多くは、一般住宅に比べて断熱性が低い傾向にあります。
特に夏は暑く、冬は寒くなりやすいため、快適な空間にするには断熱対策が不可欠です。

購入時に断熱材が標準で含まれているかを確認し、必要であれば高性能な断熱材を追加したり、二重窓に変更したりといったオプションを検討しましょう。

設置環境によっては劣化しやすくなる

設置場所の環境、例えば海辺の潮風が当たる場所や、湿気が多く雨量が多い地域では、金属部分の錆や木材の腐食が進みやすくなります。
そのため、適切な対応を行わないと想定よりユニットハウスの寿命が短くなる恐れがあります。

このような場所では、防錆加工が強化された製品を選んだり、こまめなメンテナンスを心掛けたりしましょう。

天候によっては現場での組み立てが難しい

工場内でほとんどの工程を終えるユニット式と違い、組み立て式は現場での作業が中心です。
そのため、雨や強風といった悪天候が続くと、作業が中断し工期が延びてしまう可能性があります。

天候が変動しやすい時期に導入する際は、余裕をもったスケジュールを設定しましょう。

電気・水道の設置が別途必要になる

ユニットハウス本体の価格には、電気の引き込みや水道の配管工事といった設備費用が含まれていないことがほとんどです。

書斎や倉庫として使う場合でも照明やコンセントは必要になるため、これらの工事費用も予算に含めて計画を立てることが重要です。
水回り設備を設置する場合はさらに費用がかかることを念頭に置いておきましょう。

また、電気・水道を設置するとそれだけ工期が延びることもあるので注意が必要です。

組み立て式ユニットハウスの費用相場

組み立て式ユニットハウスの費用は、サイズや仕様、工事内容によって大きく変動します
ここでは、一般的な6畳(約10㎡)サイズのモデルを例に、費用の内訳と相場を見てみましょう。

項目費用相場(6畳サイズの場合)備考
本体キット価格数十万円断熱材の有無、窓・ドアの仕様で変動
運搬費数万円~10万円程度距離や部材の量によって変動
基礎工事費数万円~数十万円布基礎かベタ基礎か、地面の状況による
組立工事費数十万円DIYの場合は不要
電気工事費数万円~数十万円照明・コンセントの数・母屋からの距離による

上記はあくまで目安です。
具体的な費用は必ずメーカーや販売店に見積もりを依頼してください。

組み立て式ユニットハウスの建設手順

ここでは、組み立て式ユニットハウスが完成するまでの一般的な流れを以下のステップで解説します。

  • STEP1:現地調査と設計
  • STEP2:基礎工事
  • STEP3:ユニットの搬入
  • STEP4:組み立て・接合
  • STEP5:内装・設備工事
  • STEP6:検査・引き渡し

全体の流れを把握しておくことでスムーズに計画を進められます。

STEP1:現地調査と設計

まずは、設置場所の広さや地面の状態、搬入経路を確認しましょう。
どのような用途で使うのか、どのくらいの大きさにするのかを決め、間取りやデザインなどの設計プランを固めていきます。

あらかじめプランを具体化すれば、スムーズに導入できます。

STEP2:基礎工事

建物を支えるための基礎を作る工事です。
地面を平らにならし、コンクリートを流し込んで基礎を形成します。

建物の大きさや地盤の強度によって、コンクリートブロックを置くだけの簡易的なものから、しっかりとした布基礎やベタ基礎まで、適切な方法があります。
設置状況に応じて選びましょう。

STEP3:ユニットの搬入

工場で製造された壁パネル・柱・梁といった部材を、トラックで設置現場まで運び込みます。

搬入経路が狭い場合は、部材を小分けにして手作業で運び入れることもあります。

STEP4:組み立て・接合

搬入された部材を、設計図に従って組み立てる段階です。
まず鉄骨のフレーム(骨組み)を建て、そこに壁や屋根のパネルを取り付けていきます。

部材の接合には、主にボルトやビスが使用されます。

STEP5:内装・設備工事

建物の外側が完成したら、内装の仕上げや設備の設置を行う工事です。
壁紙を貼ったり、床材を敷いたりするほか、照明器具・コンセント・エアコン・換気扇などの電気設備を取り付けます。

必要に応じて、キッチンやトイレといった水回り設備の配管工事もこの段階で行うのが一般的です。

STEP6:検査・引き渡し

すべての工事が完了したら、設計図通りに作られているか、不具合がないかなどの最終検査を行います。

問題がなければ、無事に完成です。

組み立て式ユニットハウスの活用事例

組み立て式ユニットハウスは、その柔軟性とコストパフォーマンスの高さから、さまざまな用途で活用されています。

本章では、具体的な活用事例をいくつかご紹介します。

事務所・店舗としての利用

小規模なオフィス・学習塾・カフェ・雑貨店など、ビジネスの拠点として組み立て式ユニットハウスを活用するケースは少なくありません。

初期投資を抑えてスピーディーに開業できる点が大きな魅力です。

倉庫・物置としての利用

倉庫・物置としても組み立て式ユニットハウスは便利です。

バイクや自転車のガレージ、農機具の保管庫、あるいは季節用品などを収納する物置として、その頑丈さと収納力が活かされます。
収納したいものに合わせてサイズを調整できるのも、組み立て式ユニットハウスの魅力です。

仮設住宅・宿泊施設

工事現場の仮設事務所や休憩所はもちろん、イベント時の簡易宿泊施設としても組み立て式ユニットハウスは利用されます。

短期間の利用にも柔軟に対応できるのが強みです。

災害時の緊急避難施設

軽量で組み立てが簡単なモデルは、災害発生時に迅速に設置できる仮設の避難所や物資保管庫としても注目されています。

通常のユニットハウスよりも搬入に手間がかからないため、非常時でも活用しやすい点がメリットです。

組み立て式ユニットハウスの選び方

数多くの製品の中から、自社にぴったりの組み立て式ユニットハウスを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

本章で紹介した選び方を参考に、後悔のない選択をしましょう。

用途に合わせたサイズ選定

まず、その空間を何に使うのかを明確にしましょう。
書斎であれば6畳程度・バイクガレージなら4.5畳以上など、用途によって必要な広さは変わります。

置きたい家具や荷物のサイズを測り、必要なスペースを具体的にイメージすることが失敗しないコツです。

耐久性・断熱性のチェックポイント

長く安心して使うためには、耐久性と断熱性の確認が欠かせません。
特に、積雪や台風が多い地域では、建物の強度を示す構造計算などを確認できると安心です。

また、一年を通して快適に過ごすためには、壁や屋根に使われている断熱材の種類や厚みもしっかりチェックしましょう。

信頼できるメーカーの見極め方

インターネット上には多くの製品がありますが、価格だけで選ぶのは危険です。
これまでの施工実績や購入者のレビューを確認し、信頼できるメーカーかどうかを見極めましょう。

建築確認申請など専門的な相談にも乗ってくれる、知識の豊富なスタッフがいるかどうかも重要なポイントです。

アフターサービスの確認

購入後のサポート体制も確認しておきましょう。

万が一の不具合に対応してくれる保証があるか、修理やメンテナンスは依頼できるかなど、長く付き合えるメーカーを選ぶことが大切です。

組み立て式ユニットハウスの注意点

手軽に設置できるイメージのある組み立て式ユニットハウスですが、建築物である以上、法律や税金のルールと無関係ではありません。

「知らなかった」と後で困ることのないよう、特に重要な2つのポイントについて解説します。

条件によっては建築確認申請が必要になる

組み立て式ユニットハウスも、建築基準法上の建築物に該当する場合があります。
特に以下のケースでは、原則として自治体への建築確認申請が必要になるため注意が必要です。

  • 更地に新築として設置する場合(規模を問わず申請が必要)
  • 床面積が10㎡(約3坪)を超える場合
  • 設置場所が「防火地域」または「準防火地域」に指定されている場合(たとえ10㎡以下でも例外なく申請必須)

上記の条件に当てはまるのに申請を怠ると、違反建築物とみなされ、撤去を命じられる可能性もあります。
設置を計画する前に、必ずお住まいの自治体の建築指導課などに確認しましょう。

固定資産税の課税対象になる場合がある

建物が土地に定着していると判断される場合、固定資産税の課税対象となります。
定着性は、コンクリートの基礎工事を行っているかどうかが一つの大きな判断基準になります。

設置方法課税判断理由
コンクリートブロックの上に置くだけ課税対象外となる可能性が高い容易に移動できるため定着していないと見なされやすい
コンクリート基礎工事を行う課税対象となる可能性が高い土地に恒久的に設置されていると見なされるため

ただし、最終的な判断は各自治体の家屋調査によって個別に下されます。
税金に関する不明点も、事前に市町村の資産税課などに相談しておくと安心です。

まとめ:ポイントを押さえて組み立て式ユニットハウスを活用しよう

組み立て式ユニットハウスは、コストを抑えながら、理想の空間を作り上げられる非常に魅力的な選択肢です。
状況に合わせて適切な設計で設置すれば、有用な拠点を構築できます。

本記事の内容を参考に、ぜひ組み立て式ユニットハウスの導入を検討してみてください。

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