ユニットハウスの耐用年数|法定年数・実際の寿命・減価償却などを解説

ユニットハウスの耐用年数|法定年数・実際の寿命・減価償却などを解説

事業の拡大やコスト削減の手段として、ユニットハウスの導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ユニットハウスを運用する際は、税務上の処理や長期的な事業計画を立てるためにも、耐用年数を正しく理解する必要があります。

本記事では、ユニットハウスの耐用年数について解説します。
国税庁の基準に基づく法定耐用年数に関する解説だけでなく、減価償却のやり方やユニットハウスの寿命の伸ばし方などについても説明するので、ぜひ参考にしてください。

ユニットハウスの耐用年数の基礎知識

ユニットハウスの耐用年数を考えるとき、まず2つの異なる意味合いがあることを知っておく必要があります。

税法上のルールである法定耐用年数と、物理的な耐久性を示す実際の寿命です。

法定耐用年数とは

法定耐用年数とは、税法上の計算で使用される、資産が利用可能と見込まれる期間のことであり、国税庁が定める減価償却資産の耐用年数等に関する省令によって、建物の構造や用途に応じて詳細に規定されているものです。

例えば、ユニットハウスのような減価償却資産を取得した場合、その取得にかかった費用は、法定耐用年数に基づいて毎年少しずつ経費(減価償却費)として計上されます。
この経費計上を通じて、企業の課税所得が調整されます。

重要な点として、法定耐用年数はあくまで税務会計上のルールであり、物理的な使用可能期間を意味するものではありません。つまり、法定耐用年数が経過したからといって、ユニットハウスが使用できなくなるわけではありません。

実際には、適切なメンテナンスを行えば、法定耐用年数を超えても使用が可能です。
税務上の計算と実際の使用状況は異なる点を理解しておく必要があります。

実際の寿命との違い

ユニットハウスの実際の寿命は、法定耐用年数とは異なり、物理的な安全性と快適性を保てる期間を指します。
ただし、実際の寿命は使用される部材の品質・設置環境・メンテナンスの頻度や質によって大きく変動するので注意しましょう。

例えば、高品質な部材を使用し、適切な環境で設置され、定期的なメンテナンスが実施されれば、ユニットハウスは長寿命化します。
逆に、粗悪な部材を使用したり、過酷な環境に設置したり、メンテナンスを怠ったりすると、寿命は短くなります。

適切な手入れを継続すれば、ユニットハウスの法定耐用年数を大幅に超え、20年・30年といった長期にわたる使用も十分に可能です。
そのため、ユニットハウスの寿命を最大限に引き出すためには、初期段階での品質選択と、継続的なメンテナンスが欠かせません。

構造別・ユニットハウスの法定耐用年数

ユニットハウスの法定耐用年数は、主に骨組みに使われる鉄骨の厚さによって決まります。
国税庁の耐用年数表では建物の区分に分類され、そのなかでも金属造に該当します。

自社が導入するユニットハウスがどれに当てはまるか、メーカーに確認することが重要です。

耐用年数は骨格材の厚みで変わる

ユニットハウスは一般的に軽量鉄骨造で作られています。
法定耐用年数は、その骨格材(鉄骨)の肉厚によって定められています。

同じユニットハウスでも、用途によって耐用年数が異なる点に注意が必要です。

鉄骨の肉厚・用途別の耐用年数の違いは以下のとおりです。

骨格材の肉厚事務所用店舗用・住宅用工場用・倉庫用
3mm以下22年19年17年
3mmを超え4mm以下30年27年24年
4mmを超えるもの38年34年31年

自社が使用しているユニットハウスの肉厚や用途がいずれに該当するかは、必ずチェックしましょう。

参照:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

中古で購入した場合の計算方法

中古のユニットハウスを購入した場合、耐用年数は新品とは異なる計算方法を用います。
税法では、以下の簡便法と呼ばれる計算式が定められています。

【法定耐用年数をすべて経過している場合】

法定耐用年数×20%

【法定耐用年数の一部を経過している場合】

(法定耐用年数−経過した年数)+経過した年数×20%

例えば、骨格材の肉厚が 4mm で事務所用(法定耐用年数 38年)の中古ユニットハウスを例に見てみましょう。
計算結果に 1年未満の端数がある場合は、切り捨てて計算します。

経過年数計算式中古資産の耐用年数
10年(38年-10年)+(10年×0.2)=30年30年
40年(法定耐用年数超過)38年×0.2=7.6年→7年7年

参照:No.5404 中古資産の耐用年数|国税庁

耐用年数を使った減価償却の計算方法

減価償却とは、ユニットハウスの取得価額を、法定耐用年数にわたって分割して費用計上する会計処理です。
主な計算方法には定額法と定率法があります。

どちらの方法を選ぶかによって、初期の節税効果が変わるので注意しましょう。

定額法による計算例

定額法は、毎年同じ金額を減価償却費として計上する方法です。
計算がシンプルで、長期的な損益の見通しを立てやすいのが特徴です。

計算式は取得価額×定額法の償却率となります。

【計算例】

  • 取得価額:500万円
  • 法定耐用年数:22年(償却率:0.046)
  • 減価償却費:5,000,000円 × 0.046 = 230,000円
年度期首帳簿価額減価償却費期末帳簿価額
1年目5,000,000円230,000円4,770,000円
2年目4,770,000円230,000円4,540,000円
3年目4,540,000円230,000円4,310,000円

定率法による計算例

定率法は、初年度の減価償却費をもっとも多く計上し、以降は年々減少させていく計算方法です。
導入初期の利益を圧縮し、税負担を軽減する効果が期待できます。

計算式は未償却残高×定率法の償却率です。

【計算例】

  • 取得価額:500万円
  • 法定耐用年数:22年(償却率:0.091)
  • 償却保証額:5,000,000円 × 0.04108 = 205,400円
年度期首帳簿価額減価償却費期末帳簿価額
1年目5,000,000円455,000円4,545,000円
2年目4,545,000円413,595円4,131,405円
3年目4,131,405円375,958円3,755,447円

仕訳例(購入時・決算時)

ユニットハウスを取得し、減価償却を行う際の基本的な仕訳は以下のとおりです。

タイミング借方貸方
購入時(500万円で購入)建物 5,000,000円現金預金 5,000,000円
決算時(定額法で償却)減価償却費 230,000円建物減価償却累計額 230,000円

経理担当者は、上記の勘定科目を使って会計処理を進めます。

ユニットハウスの会計処理上の注意点

ユニットハウスを資産として計上する際には、固定資産税や法定分類など、いくつか注意すべき点があります。

これらを事前に把握しておけば、後々の税務リスクの回避が可能です。

固定資産税の課税対象になる

ユニットハウスは、固定資産税の課税対象となる可能性が高い傾向があります。

特にコンクリート基礎やアンカーボルトを利用した構造のユニットハウスは、建築物と見なされやすいので注意しましょう。
たとえコンクリートブロック上に設置するような簡易的な方法であっても、固定資産税の対象となるケースが少なくありません。

また、店舗や事務室といった長期的な利用を行っている場合も、固定資産税を課税されやすくなります。

そのため、ユニットハウスの設置を検討する際には、必ず事前に設置場所を管轄する自治体へ確認を行い、課税の有無や税額について確認することが重要です。
固定資産税は毎年発生するランニングコストであるため、ユニットハウスの導入を検討する際には、この税金を考慮に入れたうえで、しっかりと資金計画を立てることが不可欠です。

なお、一時的に利用しているだけの仮設型や、移動可能な状態で設置されたユニットハウスは、非課税になる可能性があります。
ただし、素人目で判断せず、建築業者や税理士などの専門家のチェックを受けましょう。

耐用年数や法定分類を必ず確認する

法定耐用年数を自己判断で誤ると、税務調査で指摘され、償却費の再計算や追徴課税のリスクが生じます。
ユニットハウスの場合、仕様書で骨格材の肉厚を確認するか、メーカーへの問い合わせで正しい耐用年数を把握しましょう。

特に材質や用途によって耐用年数が異なるため注意が必要です。

もし会計処理に不安があれば、税理士などの専門家に相談するのがもっとも確実な方法です。
専門家は税法に基づいた適切なアドバイスを提供し、税務上のリスクを回避する手助けをしてくれます。

耐用年数の判断ミスは、企業の財務に大きな影響を与える可能性があるため、必ず専門家に相談しましょう。

ユニットハウスの寿命を延ばすメンテナンス方法

法定耐用年数が過ぎても、ユニットハウスの価値がゼロになるわけではありません。
以下のような計画的なメンテナンスを行うことで、物理的な寿命を延ばし、資産として長く活用できます。

  • 定期的に点検する
  • 水回りを入念に確認する
  • 錆止めや塗装を行う
  • 耐震・耐風工事を行う
  • 床や内装を保護する

本章では、寿命を延ばすために重要なメンテナンス方法をご紹介します。

定期的に点検する

定期的な専門家による点検は、建物の寿命を延ばすうえで非常に重要です。
自分たちでは見過ごしがちな構造体の微妙な歪みや、屋根や外壁における微細なひび割れなどを、専門家の目で早期に発見できます。

劣化の早期発見は、将来的に大きな修繕費用を抑えることにつながります。

理想としては、1年に1回を目安に点検を依頼し、建物の健康状態を継続的に把握しましょう。
定期的な点検によって、ユニットハウスを安心して長期利用できます。

建物の状態を把握し、必要なメンテナンスを行うことは、資産価値を維持するうえで不可欠です。

水回りを入念に確認する

トイレや給湯室などの水回りの設備は、特に劣化が進みやすい箇所です。
日々の使用頻度が高いため、配管からの水漏れやパッキンの劣化といったトラブルが発生しやすくなります。

水回りの問題を放置すると、床材や構造体の腐食につながり、建物全体の耐久性を著しく低下させる原因となります。
そのため、日常的な清掃に加え、定期的に接続部の緩み・錆・排水溝の詰まりなどを確認する習慣が非常に大切です。

早期発見と適切な対処を行うことで、大規模な修繕費用や手間を省き、快適な住環境を維持できます。

錆止めや塗装を行う

ユニットハウスの寿命を長く保つためには、雨水によって発生する鉄骨の錆対策が非常に重要です。

外壁の塗装は、ユニットハウスを雨水から守ってくれますが、経年劣化によって防水性が低下すると、雨水が内部に浸入し、鉄骨を錆びさせてしまう原因となります。
錆が発生すると、鉄骨の強度が徐々に低下し、ユニットハウス全体の耐久性に影響をおよぼします。

そのため、錆を発見したら、できるだけ早く補修を行うことが大切です。

錆びた部分を放置すると、腐食が広がり、大規模な修繕が必要になる可能性があります。

もちろん、定期的なメンテナンスも欠かせません。
外壁や屋根の再塗装は、5年〜10年を目安に行いましょう。

再塗装によって防水性を回復させ、雨水の浸入を防ぐことで、鉄骨を錆から守り、ユニットハウスの寿命を大幅に延ばせます。

日ごろのメンテナンスをしっかりと行い、大切なユニットハウスを長く快適に使い続けましょう。

耐震・耐風工事を行う

ユニットハウスの寿命を延ばすためには、地震や台風などの自然災害から守ることが不可欠です。

基礎と建物を強固に固定するアンカーボルトの定期的な増し締めは、ユニットハウスの安定性を高めます。
さらに、ブレース(筋交い)の追加といった補強工事も有効な手段です。

特に、ユニットハウスを後から増築したり、別の場所へ移設した場合、建物の構造バランスが変化している可能性があるため、専門家による構造の確認と、必要に応じた耐震補強工事を検討しましょう。
耐震・耐風工事を行うことで、ユニットハウスは自然災害に対する耐久性を向上させられます。

床や内装を保護する

日常的な使用による床の傷や汚れは、放置すれば劣化を早める大きな原因となります。
特に、家具の移動や落下物による傷は、見た目を損ねるだけでなく、そこから水分が浸透し、床材の腐食を招く可能性もあります。

重量物を置く場所には、保護マットを敷き、一点に集中する負荷を分散させましょう。
また、ワックスがけを定期的に行うことで、床の表面に保護膜を作り、汚れや傷から守り、美しい状態を長持ちさせられます。

さらに、壁紙の剥がれや天井のシミなども、見つけ次第早めに補修することが、美観と建物の耐久性の維持につながります。

壁紙の剥がれは、放置すると剥がれが広がり、下地が見えてしまうことがあります。
また、天井のシミは、雨漏りや水漏れのサインである可能性があり、放置すると構造体の腐食につながるので注意が必要です。

小さな補修であればDIYで直せますが、原因が特定できない場合や広範囲に及ぶ場合は、専門業者に依頼しましょう。

まとめ:ユニットハウスの耐用年数は正確に把握しよう

ユニットハウスの耐用年数は実際の寿命と違い、税務上において重要な要素です。
減価償却をするうえで重要になるため、耐用年数や法定分類は必ず専門家を交えてチェックしましょう。

もちろん、ユニットハウスをより長く使うなら、適切なメンテナンスが不可欠です。
本記事で紹介したメンテナンス方法を積極的に実践しましょう。

また、専門家のサポートを受ければ、より適切なメンテナンス方法を教えてもらえる場合があります。

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