ユニットハウスは事務所として利用できる?価格相場や必要な法的手続き、利用例もあわせて紹介

ユニットハウスは事務所として利用できる?価格相場や必要な法的手続き、利用例もあわせて紹介

事業の拡大や新規立ち上げに伴い、事務所の設置を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、従来の建築や賃貸オフィスは、コストや時間がかかるのが難点です。

そこで注目されているのが、短期間かつ低コストで設置可能なユニットハウスです。

この記事では、ユニットハウスを事務所として活用する場合の価格相場やメリット・デメリット、必要な法的手続きまで解説します。

目次

そもそもユニットハウスとは?

事務所選びを始める前に、まずはユニットハウスがどのようなものか正しく理解することが重要です。
よく似た言葉であるプレハブやコンテナハウスとの違いを知ることで、自身の事業に最適な選択肢を見つけやすくなります。

ユニットハウスとは、軽量鉄骨で組まれた箱形の建築物

ユニットハウスとは、工場で大部分を完成させた箱型(ユニット)の建物を指します。
軽量鉄骨のフレームを基本構造として壁・天井・床・窓などをあらかじめ工場で組み込んで完成したユニットを現場まで運び、クレーンで設置・連結することで、短時間で建物を完成させられるのが特徴です。

建築工程の約80~90%を工場で製造するため、品質が安定しやすい点もメリットです。

プレハブとの関係性

プレハブはプレハブ工法(prefabricated)という建築方法の総称で、建築物の一部の部材をあらかじめ工場で生産し、現場で組み立てる工法を指します。

ユニットハウスは、このプレハブ工法の一種であり、その中でも特にユニット(箱)単位で製造するものです。
プレハブハウスが部材を現場で組み立てるのに対し、ユニットハウスは工場で大枠を組み立ててから現地に運び込む点が異なります。

コンテナハウスとの関係性

コンテナハウスは、海上輸送用のコンテナをベースに作られた建築物です。
ユニットハウスが鉄骨厚6mm未満の軽量鉄骨造であるのに対して、コンテナハウスは鉄骨厚6mm以上の頑丈な重量鉄骨造で作られています。

そのため、法定耐用年数が長く、独特の重厚感あるデザインが特徴です。
一方で、ユニットハウスはより安価で、デザインの汎用性が高いという違いがあります。

ユニットハウスは事務所としての利用が可能

ユニットハウスは、その特性から事務所としての利用に適しています
仮設の現場事務所から恒久的なオフィスまで、事業のさまざまなニーズに応えることが可能です。

短工期で設置できる

ユニットハウスは工場で約8割が完成しているため、現場での作業は基礎工事とユニットの設置、内装の仕上げ程度です。

発注から事業開始までの期間を大幅に短縮でき、最短で半日から1日で設置が完了するケースもあります。

低コストで建築可能

工場での大量生産により、従来の建築方法に比べてコストを大きく抑えることが可能です。
現場での作業が少ないため人件費も削減でき、事業の初期投資を抑えたい経営者にとって大きな魅力です。

オフィスレイアウトに最適(柔軟性が高い)

ユニットハウスは、事業の成長に合わせて柔軟に形を変えられます
最初は小さなユニットでスタートし、従業員が増えたら新しいユニットを連結して増築もできます。

逆に、事業規模を縮小する際はユニットを減らしたり、別の場所へ移設したりも容易です。

機能性が高い

現在のユニットハウスは、断熱材の充填やペアガラスの採用により、快適な室内環境を保てます
トイレや給湯室、エアコンなどの設備も自由に組み込めるため一般的なオフィスと遜色ない機能性を持たせられます。
電気設備や給排水設備も備え付けられることが多く、快適なオフィス空間の実現が可能です。

耐震性に優れている

軽量鉄骨を用いたラーメン構造(枠組み構造)は地震の揺れを効果的に吸収するため、一般的な建築物と同等、あるいはそれ以上の耐震性を備えています

工場で組み立てられた状態での運搬に耐える設計のため、耐震性に優れています。
事業継続の観点からも、従業員が安心して働ける環境の確保は重要です。

ユニットハウス事務所の価格相場

ユニットハウスを事務所として導入する際の費用は、購入かレンタルか、新品か中古かによって大きく異なります

ユニットハウス事務所の価格相場は、以下のとおりです。

項目目安備考
ユニット本体価格(新品購入)50万円~500万円以上広さや設備、デザインごとに変動
ユニット本体価格(中古購入)30万円~300万円程度状態や年式により価格差が大きい
レンタル費用(月額)1万円台~10万円以上4坪(約8畳)エアコン付きで月額2.6万円~が目安
基礎工事費用1坪あたり4万円~13万円地盤の状態や基礎の種類(ブロック基礎、布基礎など)で変わる
運搬・設置費用10万円~40万円程度設置場所までの距離や搬入経路の条件による
電気・水道などの接続工事費20万円~ライフラインの引き込み工事が必要な場合に発生
建築確認申請費用30万円~40万円程度設置する地域や規模によって必要になる

ユニットハウスは本体価格以外にも運搬費や工事費が必要になるため、トータルコストで比較検討することが大切です。

事務所利用できるユニットハウスの提供形態

ユニットハウス事務所を導入するには、主に新品購入・レンタル・中古購入の3つの方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、事業計画に合った最適な方法を選ぶことが重要です。

新品

新品のユニットハウスは、最新の設備やデザインを選べるのが魅力です。
間取りや内装、外装などを自由にカスタマイズできるため、企業のブランドイメージに合ったオリジナリティあふれる事務所を作れます。

最新の建材や工法を使用しているため耐震性や断熱性に優れており、長期的に利用する予定であれば、資産として所有するメリットも大きいです。

レンタル

短期間の利用や、初期費用を極力抑えたい場合にはレンタルが最適です。
建設現場の仮設事務所やイベントオフィスなど、一時的な利用に適しています。

購入に比べて初期投資が少なく、必要な期間だけ利用できるため経済的です。
中には、一定期間レンタルした後に所有権が移る譲渡付きレンタルプランを提供している会社もあります。

中古

コストを最優先にするなら、中古のユニットハウスが有力な選択肢です。
新品に比べて大幅に安価に購入できるため、初期投資を大きく削減できます。

ただし、前の利用状況によって劣化が進んでいる場合があるため、購入前には雨漏りや構造の歪みなどがないか専門家による状態のチェックが不可欠です。

ユニットハウスを事務所利用する際の注意点

手軽に導入できるユニットハウスですが、事務所として利用する際にはいくつかの注意点があります。
事前にこれらのポイントを把握しておくことで、後々のトラブルを防ぐことが可能です。

多くの場合、建築確認申請が必要

ユニットハウスは搬入方法や見た目から「建築物ではない」と誤解されがちですが、土地に定着して設置される場合は、日本の建築基準法においてほとんどの場合建築物として扱われます。
そのため、建築基準法に基づき、多くの場合で建築確認申請が必要です。

この手続きを怠ると法律違反になる可能性があるため、必ず専門業者に確認しましょう。

搬入や設置には特別な条件が伴う

ユニットハウスは工場で完成させた状態で運搬するため、大型トラックやクレーン車が必要です。
4トン超ロング車などの大型トラックで運搬されるため、設置場所までの道路幅や曲がり角に十分なスペースが必要です。

敷地内にクレーン車を設置するスペースが確保できるかも重要なポイントで、電線や周囲の建物など、クレーンの稼働を妨げる障害物がないかの確認もしなければなりません。

デザインや間取りの自由度には限りがある

ユニットハウスは箱型のユニットを組み合わせる構造上、デザインや間取りには一定の制約があります
外装・内装ともに規格品が多いため、素材やデザインの選択肢は一般的な建築物に比べて少ないです。

1つのユニットには広さの限界があるため広い部屋を設けられず、全体的な面積を増やすには、複数のユニットを連結する必要があります。
理想のオフィス空間を実現するためには、どのようなカスタマイズが可能か事前に業者としっかり打ち合わせることが大切です。

ユニットハウスの設置に必要な法的手続き

ユニットハウスを事務所として設置する際は、建築基準法などの法律を守る必要があります。
専門的な内容も含まれますが、基本的な流れを理解しておくことが重要です。

ユニットハウスの設置前に建築確認申請を行う

ユニットハウスも例外ではなく、土地に定着させて使用する場合は原則として建築確認申請が必要です。

申請は建築士を通じて行うのが一般的で、審査には数週間から数カ月かかることもあります。
申請は設置前に行う必要があるため、事業計画を立てる際には、この期間を考慮することが大切です。

建築確認申請が必要なケース・不要なケース

建築確認申請が必要なケース・不要なケースは、それぞれ以下のとおりです。

項目条件
建築確認申請が必要・更地にユニットハウスを設置
・都市計画区域内に設置(床面積に関係なく)
・防火地域や準防火地域に設置(小規模でも例外なく)
建築確認申請が不要
・床面積が10㎡以下
・防火地域・準防火地域外での設置
・既存建物がある敷地内での増築
・同一敷地内での移転の条件を満たしている

ただし、条件が複雑なだけではなく自治体ごとに判断が異なる場合があるため「この場合は不要」と自己判断せず、専門業者や自治体の建築指導課に事前に確認することが重要です。

建築確認申請の必要書類と申請先

申請には、配置図・平面図・立面図などの設計図書や構造計算書といった専門的な書類が必要です。
これらの書類は、通常ユニットハウスの販売業者や提携している建築士が作成を代行してくれます。

申請先は、その土地を管轄する都道府県や市区町村の建築主事、または民間の指定確認検査機関です。

その他の法的な手続き

ユニットハウスを設置すると、多くの場合で固定資産税の課税対象となります
基礎があり、土地に定着して屋根と壁で囲われているものは家屋と認定されるため、設置後は市町村の窓口で確認が必要です。

設置後1カ月以内に不動産登記法に基づき登記を行う必要があります。
また、設置場所が都市計画区域や市街化調整区域の場合は追加の制限を受ける可能性があるため、役所の都市計画課などで事前に確認することが重要です。

ユニットハウスの事務所利用例

ユニットハウスが実際にどのように事務所として活用されているか、具体的な例を見ていくことで、導入のイメージがつかみやすくなります。
規模や用途によって、さまざまなレイアウトが可能です。

小規模な仮設事務所

建設現場やイベント会場などでよく見られるのが、単体のユニットハウスを利用した小規模事務所です。

項目具体例
広さの目安2坪(約4畳)~4坪(約8畳)
利用人数1名~4名
レイアウト例デスク・椅子・書庫・エアコンなどをコンパクトに配置する

小規模ながらも、事業運営に必要な機能を十分に備えられます。

複数のユニットを連結した本格的な事務所

複数のユニットハウスを連結させることで、より広く、機能的なオフィス空間の創出が可能です。

項目具体例
広さの目安10坪(約20畳)~
利用人数5名~20名以上
レイアウト例執務スペースの他に、間仕切りを設けて会議室や応接室、社長室などを配置する

給湯室やトイレを設置すれば、完全に独立したオフィスとして機能します。
また、2階建てにもできます。

ユニットハウスを事務所利用する際の快適性のポイント

ユニットハウスを事務所利用する際には、コストやスピードだけではなく従業員が快適に働ける環境づくりも重要です。
いくつかのポイントを押さえることで、ユニットハウスをより快適なオフィス空間にできます。

断熱性と空調の整備

ユニットハウスを事務所として長時間利用する場合、快適な室温を保つことが重要です。

壁や屋根に高性能な断熱材を追加したり、窓を二重サッシ(ペアガラス)にしたりすることで、さらに快適な室温を保つことが可能です。

照明と換気システムの整備

オフィスとして利用する場合、十分な明るさの確保が生産性向上につながります

LED照明を採用すれば、省エネ効果も期待できます。
また、定期的に空気を入れ替えるための換気扇や、24時間換気システムの導入も快適性を高める上で重要です。

ライフラインの整備

電気・水道・ガス・インターネット回線といったライフラインの整備は、オフィス機能の根幹です。

ユニットハウスの設置場所が決まったら、速やかに各事業者へ引き込み工事の手配を進める必要があります。

適切なサイズの選定

従業員の人数や業務内容に合わせて、適切な広さのユニットハウスを選ぶことが大切です。
事務所として利用する場合、机や椅子、コピー機などの事務機器を配置できる十分なスペースを確保することが重要です。

用途やおしゃれなデザインに合わせたカスタマイズ

ユニットハウスは、顧客のニーズに応じて内部のレイアウトや設備を自由にカスタマイズできる柔軟性を持っています。

木目調のサイディングやモダンなカラーリングを選べば、来客に好印象を与えるおしゃれな事務所にできます。

自分の用途や事務所の規模に合わせたユニットハウスを選ぼう

ユニットハウスは、低コスト・短工期という大きなメリットを持ち、現代の多様なビジネスシーンに対応できる有効な選択肢です。
事務所としての機能性や快適性も、カスタマイズ次第で一般的なオフィスと遜色ないレベルに高められます。

一方で、建築確認申請などの法的手続きや、設置場所の制約といった注意点も存在します
この記事で紹介した価格相場や提供形態ごとの特徴、注意点を参考に、自身の事業計画や予算に合ったユニットハウスを選ぶことが重要です。

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