ユニットハウスの建築確認申請が必要なケースは?基礎の有無による違いまでまでわかりやすく解説

ユニットハウスの建築確認申請が必要なケースは?基礎の有無による違いまでまでわかりやすく解説

「手軽に設置できる事務所が欲しい」「低コストで新たな拠点を作りたい」「市街化調整区域の建物を設置したい」という方に適しているのがユニットハウスです。しかし、計画を進める中で建築確認という言葉を目にし、「複雑な手続きが必要なのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ユニットハウスにおいてどのような場合に建築確認申請が不要になるのか、必要な場合の手続きや費用はどのくらいか、そして2025年の法改正による影響まで、わかりやすく解説します。

ユニットハウスには建築確認申請が必要か

ユニットハウスを設置する際には、原則として建築確認申請が必要となります。なぜなら、基礎を設けて土地に定着させたり、電気や水道などを接続して継続的に使用したりする場合、そのユニットハウスは建築基準法上の建築物と見なされるからです。

ユニットハウスは置くだけというイメージを持たれやすいものの、法律上は一般的な住宅やビルと同じ扱いになるケースがほとんどです。ただし、特定の条件を満たせば不要になる例外もあり、正確な理解が求められます。

そもそも建築確認申請とは

建築確認申請とは、新しい建物を建てたり、大規模な増改築を実施したりする前に、計画が建築基準法や関連法規に適合しているかを専門機関が事前に確認する手続きのことです。

つまり、建物の安全性と適法性を保証し、国や自治体から正式な許可を得る手続きと考えると理解しやすいでしょう。

手続きは、利用する人の生命、健康、財産を守るために不可欠です。もし申請を怠ると、法律違反として厳しい罰則が科される可能性があるため、重要なプロセスといえます。

基礎の有無と建築確認申請

「コンクリートの基礎を作らなければ建築物ではないのでは?」と考える方もいるかもしれません。強固な基礎工事は土地への定着を示す重要な要素ですが、建築確認の要否は基礎の有無だけで判断されるわけではありません

例えば、コンクリートブロックを置いただけの状態でも、電気やガス、水道などのライフラインを恒久的に接続すれば、「随時かつ任意に移動できない」状態と見なされます。結果、土地に定着した「建築物」として扱われ、建築確認申請の対象となるのです。

つまり、どのように利用するかが重要な判断基準となります。

ユニットハウスの建築確認申請を怠った際の罰則

建築確認申請が必要であるにもかかわらず、手続きをせずにユニットハウスを設置してしまった場合、違法建築物となります。違法建築物には、以下のような厳しい罰則やリスクが伴います。

罰則・リスクの種類具体的な内容
刑事罰建築主に対して「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される可能性がある
行政処分行政から工事の停止命令や、建物の使用禁止・是正・撤去命令が出されることがある
経済的損失住宅ローンが組めない、不動産登記ができない、将来的に売却できないなどの不利益が生じる※各金融機関の融資基準によって異なる
社会的信用の失墜コンプライアンス違反として社会的信用を大きく損なう可能性がある

罰則は決して軽いものではありません。経済的な損失だけでなく、将来の計画にも大きな支障を及ぼす可能性があるため、十分な注意が必要です。

参考:e-Gov法令検索「建築基準法」

ユニットハウスの建築確認が不要になる可能性がある3つのケース

ユニットハウスは、特定の条件を満たす場合には申請が不要になることもあります。以下でご紹介するのは、その代表的な3つのケースです。

ただし、これらはあくまで例外的なケースであり、用途・防火地域などで扱いが異なる場合があります。最終的な判断については、専門家や行政機関に確認することを推奨します。

防火・準防火地域外での小規模な増改築(床面積10平方メートル以下)

一点目は、床面積が10平方メートル以下であれば建築確認申請を不要とするというルールです。しかし、いくつかの重要な条件があります。

まず、設置場所が火災の延焼リスクが高い防火地域や準防火地域の外でなければなりません。さらに、何もない更地に新たに建てるのではなく、すでに建物がある敷地内に増築・改築・移転する場合に限られます。

条件を満たせば、物置や離れのような小規模なユニットハウスの設置で申請が不要になる可能性があります。ただし、自治体によっては独自の条例で規制を設けている場合もあるため、事前の確認が不可欠です。

都市計画区域外などにおける一部の建物

都市の計画的な開発を目的とする都市計画区域や準都市計画区域などの外の地域では、建築確認のルールが緩和される場合があります。これらの地域で特定の条件を満たす4号建築物(木造2階建て以下など、比較的小規模な建築物)を建てる際には、建築確認申請が不要になることがあります。

しかし、ほとんどの地域が区域内に指定されているため、例外が適用されるケースは非常に限定的です。山間部や離島の一部などが該当する可能性がありますが、自己判断は避け、自治体の都市計画担当部署に確認しましょう。

災害時や工事現場など一時的な仮設建築物

建築基準法第85条では、公共の利益に資する一時的な建築物(仮設建築物)について、特定行政庁が建築確認の特例を定めています。

該当するのは、災害時の応急仮設住宅や工事現場に設置される仮設事務所などです。該当する建物は設置期間が限定されており、恒久的な使用を目的としていないため、一定の条件下で建築確認が不要となります。

ただし、確認申請が自動的に不要になるものではありません。自治体によっては、仮設建築物の許可を受ける手続きとあわせて建築確認申請が必要となるケースもあります。

また、店舗や事務所として長期間使用する予定のユニットハウスは、このケースには当てはまりません。

参考:e-Gov法令検索「建築基準法」

ユニットハウスの建築確認申請が必要なケース

不要なケースに当てはまらない場合は、基本的に建築確認申請が必要となります。具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 床面積の合計が10平方メートルを超えるユニットハウスを設置する場合
  • 防火地域または準防火地域内に設置する場合(面積にかかわらず必要)
  • 更地に新たにユニットハウスを設置する場合(面積にかかわらず必要)
  • 基礎工事を行い、ユニットハウスを土地に定着させる場合
  • 電気、水道、ガスなどのインフラを恒久的に接続する場合
  • 継続的に居住、業務、店舗などとして使用する場合

条件に一つでも当てはまる場合は、建築確認申請の手続きを進めてください

ユニットハウスの建築確認に関連する2025年4月法改正

建築確認に関するルールは、2025年4月1日に施行された建築基準法の改正によってより厳格化されました。もっとも大きな変更点は、これまで多くの小規模建築物で構造審査などが省略されていた「4号特例」の対象範囲が大幅に縮小されたことです。

項目2025年3月まで(改正前)2025年4月以降(改正後)
特例制度4号特例新2号建築物、新3号建築物
対象・木造:2階建て以下、延べ面積500平方メートル以下など
・非木造:平屋建て、延べ面積200平方メートル以下など
・新2号:木造2階建てor延べ面積200平方メートル超など
・新3号:木造平屋建てかつ延べ面積200平方メートル以下
主な変更点多くの小規模建築物で、確認申請時に構造・省エネ関連図書の提出が不要だった新2号・新3号建築物も原則として構造関係規定の審査が必須となり、省エネ基準への適合が義務化された
影響比較的簡易な手続きで設置が可能な場合が多かったユニットハウスを含む多くの小規模建築物で、より詳細な図面の提出と厳格な審査が求められるようになった

法改正により、これまで特例によって審査が簡略化されていた規模のユニットハウスであっても、今後は構造の安全性を示す図書の提出や、省エネ基準への適合が求められるようになります。

最新の法令に則って計画を進めることが重要です。

参考:国土交通省「改正建築基準法について」
   国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」

ユニットハウスの建築確認申請における5ステップ

以下では、実際に建築確認申請が必要となった場合の一般的な申請プロセスについて、5つのステップに分けて解説します。

ステップ主な内容期間の目安
1.書類・図面の準備専門家(設計士や建築士など)に依頼し、申請書や各種図面(配置図、平面図など)を作成する2週間~1カ月以上
2.申請書の提出完成した書類一式を、特定行政庁または指定確認検査機関の窓口に提出する-
3.建築確認済証の交付書類の審査が行われ、計画が法規に適合していると認められると「建築確認済証」が交付される1週間~1カ月程度
4.工事着工建築確認済証の交付を受けて、初めてユニットハウスの設置工事を開始できる-
5.完了検査と検査済証の交付・工事完了後4日以内に完了検査を申請・検査に合格すると「検査済証」が交付され、正式に使用可能となる1週間程度

1.書類・図面の準備

まず、申請に必要な書類や図面を準備します。専門的な知識を要するため、設計士や建築士などの専門家に作成を依頼しましょう。ユニットハウスの販売業者が代行する、または提携する専門家の紹介を受けられる場合もあります。

  • 建築確認申請書
  • 建築計画概要書
  • 委任状
  • 各種図面(付近見取図、配置図、平面図、立面図、断面図など)
  • 構造計算書(必要な場合)

2.特定行政庁または指定確認検査機関へ提出

書類がすべて揃ったら、設置場所を管轄する特定行政庁(市役所の建築指導課など)や、民間の指定確認検査機関に提出します。提出先が不明な場合は、ユニットハウス業者や地域の設計・建築事務所に相談しましょう。

3.建築確認済証の交付

提出された書類をもとに、専門の審査官によって、計画が法令に適合しているかどうかが審査されます。書類に不備がなければ、通常1週間から1カ月程度で「建築確認済証」が交付されるはずです。交付をもって、正式に工事の許可が下りたことになります。

4.工事着工

建築確認済証が交付される前に工事を開始することはできません。交付を受けたことを確認してから、ユニットハウスの基礎工事や設置工事に取り掛かります。申請前に着工すると法律違反となるため、注意が必要です。

5.完了検査と検査済証の交付

ユニットハウスの設置工事が完了したら、4日以内に完了検査の申請を行います。検査員が現地を訪れ、申請された図面通りに正しく工事が実施されたかを確認します。検査に合格すると検査済証が交付され、ユニットハウスを正式に使用することが可能です。

ユニットハウスの建築確認申請にかかる費用の内訳

建築確認申請には、大きく分けて2種類の費用がかかります。建物の規模や構造、依頼する専門家によって金額は大きく変動するため、事前に複数社から見積もりを取得することをおすすめします。

費用の種類内容金額の目安
行政に支払う手数料・建築確認申請や完了検査の際に、審査機関(行政や指定確認検査機関)に支払う手数料
・建物の床面積に応じて定められている
数万円~
専門家への依頼費用設計士や建築士に、設計図面の作成や申請手続きの代行を依頼するための報酬20万円~50万円程度

行政に支払う手数料

行政に支払う費用は、審査機関(行政や指定確認検査機関)に申請書類を審査してもらうための公的な手数料です。金額は建物の床面積に応じて条例で定められています。

例えば、床面積が30平方メートル超100平方メートル以下の建築物の場合、建築確認申請手数料は14,000円から19,000円程度が一般的です。このほかに、工事完了後の完了検査にも同様の手数料が必要となります。

専門家への依頼費の相場

申請に必要な専門的な図面の作成や、複雑な手続きの代行を設計士や建築士に依頼するためにも、費用が必要です。

依頼費はユニットハウスの規模、用途、設計の難易度などによって大きく変動します。一般的な小規模なユニットハウスであれば、設計料と申請代行費用を合わせて20万円から50万円程度が一つの目安となります。

まとめ:ユニットハウスの建築確認は専門家へ相談し、法的なリスクを回避しよう

ユニットハウスを設置する際は、計画の初期段階で設置場所を管轄する自治体の建築指導課や、ユニットハウスの販売・施工実績が豊富な専門業者に相談することが重要です。適切な手続きを踏むことで、法的なリスクを回避し、安全で快適なユニットハウスを活用できます。

株式会社ワールドシェアセリングでは、ユニットハウス設置の際の建築確認申請についても豊富なノウハウがあります。また、確認申請の業務を承ることも可能です。ユニットハウスの設置を検討している方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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