地盤調査コラム

地盤調査とは?主な調査の方法や費用などの基礎知識

地盤調査とは?主な調査の方法や費用などの基礎知識

建築における工程のひとつが地盤調査です。地盤調査にはいくつか方法があり、各費用も異なります。適切な地盤調査を行うには、各調査方法や費用について把握しておかなければなりません。
今回は、地盤調査の概要や調査方法、費用を解説していきます。これから地盤調査を行う予定のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

地盤調査とは

対象となる地盤に建築予定の物件の重さに耐えられる力があるのか、沈下に抵抗する力がどれほどあるのかを調査することです。建築前に行う調査であり、地盤調査の結果から地盤の強度が足りないと判断されると、地盤を強化するための工事を行うことになります。
2000年の建築基準法の改正と住宅の品質確保の促進などに関する法律(品確法)の施行にともない、新築物件である場合は、地盤調査が義務化されました。中古の一戸建の場合は、義務化まではされていません。中古一戸建の地盤の状態を確認したい場合は、売主に地盤調査結果を見せてもらえるかを交渉してみましょう。

地盤調査の方法

戸建住宅の地盤を調査する方法は、大きく分けて3つあります。建てる物件の種類によって、適した調査方法が異なります。各調査方法のメリットとデメリットもお伝えしているため、調査方法を選択するうえでぜひ参考にしてみてください。

ボーリング調査

地面に細い孔を空けて行う調査のことです。深さ1mごとに強度を計測し、採取した土のサンプルを直接観察して地盤の状況を把握します。対象としては、住宅やマンション・商業施設・道路など、ボーリング調査を導入できる場合は、非常に幅広いです。
メリットとしては、深い層まで調査ができる点や硬い地盤での掘削調査ができる点です。一方デメリットとしては、スクリューウエイト貫入試験に比べて費用が高い点や数日間の調査期間を要する点などが挙げられます。

スクリューウエイト貫入

ロッドと呼ばれる鉄の棒を地盤へ垂直に突き刺し、地盤の強度を調査する方法です。旧名称はスウェーデン式サウンディング試験でしたが、2020年10月26日のJIS改正にともない、現在はスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)と呼ばれています。
スクリューウエイト貫入試験は、戸建住宅の地盤調査ではもっとも普及している地盤調査の方法です。旧名称のとおり、スウェーデンが発祥の地とされ、日本では1950年代前半に建設省が堤防の調査として取り入れたことから普及し始めました。
メリットとしては、調査時間が短く、ボーリング調査に比べて費用を抑えられるなどが挙げられます。一方で、硬い地盤ではなく軟弱な地盤に向いた調査法である点や深部まで調査できない点がデメリットです。

レイリー波探査試験

レイリー波探査法とは、地盤に小さな振動を人工的に発生させて表面波を計測し、計測データから地盤の強度を解析する調査方式です。
この探査法では、起振機という人間がわずかに感じ取れる程度の振動を発生させる機械を使用して、地面を揺することによって地震を発生させます。周波数を変化させながら検出器で波の早さを測定するのが表面波探査法の特徴です。
メリットとしては、他の工法と違い穴を掘ったり地盤を崩したりする必要が無く、また小さな機械で調査するので狭い土地でも調査可能という点です。
ただし、石などの埋蔵物によって調査結果に影響が出ることがあり、そうした場合は改めてスクリューウエイト調査が必要となるケースもあります。

地盤調査が必要なタイミング

地盤調査は、新築の住宅を建てる前や中古の住宅を建て替える前に行う必要があります。この場合、土地をすでに購入していることが前提です。
建売住宅の場合は、すでに地盤調査が完了していることが一般的です。この場合は、購入前に地盤調査報告書を確認しておきましょう。
土地購入前に地盤調査を行うことは基本的にはできません。なぜなら、土地購入前は売主がまだ所有している状態であるためです。
どうしても土地購入前に地盤の状態を知りたい場合は、土地購入前の地盤調査の許可をもらうか、以前の地盤調査報告書を見せてもらえるよう、売主にお願いしてみましょう。もし仮に地盤調査の許可がおりたとしても、調査にかかる費用の負担についてはあらかじめ取り決めておきましょう。

地盤調査にかかる費用

費用に関しては、調査方法によって発生する費用が異なります。ボーリング調査で20〜30万、スクリューウエイト貫入試験で5万程、レイリー波探査で5〜10万となるのが一般的な費用です。もちろん、調査対象となる地盤の規模によって金額は前後します。
戸建住宅の場合、スクリューウエイト貫入試験を使う場合が多いです。しかし、鉄筋コンクリートや鉄骨造でマンションなどの大型建築物を建てる場合は、ボーリング調査を取り入れます。
また、地盤の改良が必要であると判断された場合は、追加で改良工事の費用が発生します。改良工事には50〜100万ほどの金額が相場です。

次にこちらでは、建築に重要な要素である外皮性能を計算する方法について解説しますので、併せてご覧ください。

まとめ

ワールドシェアセリングでは、地盤調査前から改良工事が必要かどうかをある程度調べたうえで、実際の調査が行えます。地盤調査の依頼を予定している方は、一度ワールドシェアセリングをご検討ください。