危険物保管庫コラム

用途地域一覧!13種類それぞれの特徴を徹底解説

用途地域一覧!13種類それぞれの特徴を徹底解説

用途地域は、都市計画に基づいて土地活用の制限などを定めた、安全で住みよいまちづくりのためのルールです。たとえば、危険物保管庫の設置が可能な用途地域はごく一部であり、ほとんどのエリアには設置が認められていないなど、防火上の対策も組み込まれています。

倉庫や工場を建築したい、あるいはこれからマイホームや店舗を建てたいという方は、目的に適した土地探しの一基準として、用途地域の事前確認が必要です。今回は、用途地域について全13種類の特徴をそれぞれ解説します。ぜひ参考にしてください。

用途地域一覧

用途地域は、土地に対するルールのひとつで、その地域の街づくりの一環ともいえるものです。これにより、土地の活用目的や、建築可能な建物の種類などが定められています。

企業で新たな倉庫や工場の建設予定がある場合、または土地を購入しマイホームを建てる予定の方は、それぞれの目的や建築物に適した地域を選択する必要があります。今回は、13種類すべての用途地域について解説するため、ニーズに合う地域探しに役立ててください。

第一種低層住居専用地域

第一種低層住宅専用地域は、主に戸建てを中心とした住宅地で、居住専用の閑静な住宅街だといえます。比較的、駅から離れている傾向があり、鉄道やバスよりも車移動がメインとなるケースも珍しくありません。

住宅の高さが10mまたは12mなどに定められているため、このエリアにアパートなどの集合住宅を建てる場合は、3階建て程度が限度になります。

また、住宅兼店舗にする場合は床面積50 m2までです。住宅のほか、幼稚園から高校までの学校や児童厚生施設の建設が認められています。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:30・40・50・60%のいずれか
  • 容積率:50・60・80・100・150・200%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:10mまたは12m以下
  • 店舗兼住宅の床面積:50㎡以下

第二種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域は、高さの制限は一種と同じですが、店舗の建設が認められている点が異なります。また、建物の床面積は150㎡までと少々広くなります。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:30・40・50・60%のいずれか
  • 容積率:50・60・80・100・150・200%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:10mまたは12m以下
  • 店舗兼住宅の床面積:150㎡以下

第一種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域は、マンションなどの集合住宅と戸建てが混在するエリアです。病院や大学などの建設も認められており、建物の高さ制限は有りません。

大規模な商業施設はありませんが、一種・二種低層住宅専用地域に比べてエリア全体に人が多く、賑やかな傾向があります。街の中心的なエリアは、この区分に該当するケースが多いです。

住宅のほかに建設できる建物には、次のようなものがあります。

  • 幼稚園以上の教育施設
  • 図書館
  • 飲食店
  • 病院
  • スーパー
住居専用地域のため、オフィスや事業所は対象外となります。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:30・40・50・60%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400・500%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:500㎡以下

第二種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域は、一種中高層住居専用地域の条件に加えて、建築可能な建物の条件が広くなった地域です。中規模の事業所やスーパー、床面積1,500 m2以下かつ2階建て以下の施設の建設が認められています。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:30・40・50・60%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400・500%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:1,500㎡以下

第一種住居地域

第一種住居地域は、住むことを中心にした地域でありながら、建築可能な建物が大幅に拡大した地域です。一般的な駅周辺のエリアが代表的で、建物の高さ制限がないためオフィスビルなども建てられます。

日中は人が多く賑やかな印象ですが、パチンコ店やカラオケ店、遊戯施設や風俗店などの建設はできません。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:50・60・80%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400・500%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:3,000㎡以下

第二種住居地域

第二種住居地域は、一種よりも施設の床面積が広くなるため、ショッピングセンターなどの大型商業施設が多い地域です。遊戯施設の建設も可能で、ボーリング場やカラオケ店、パチンコ店なども建築できます。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:50・60・80%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400・500%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:10,000㎡以下

準住居地域

準住居地域は、幹線道路や国道沿いであることが多く、分譲マンションなどの住居を中心としながらも、倉庫や自動車関連施設などがある地域です。

10,000㎡以下のショッピングセンターなど店舗のほか、客席部分の床面面積が200㎡以下であれば映画館なども建設が認められています。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:50・60・80%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400・500%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:店舗の場合10,000㎡(建築物の種別によって大きく異なる)

田園住居地域

田園住居地域は、第一種低層居住地域の諸条件に加え、農業に適したエリアであることが特徴です。床面積の条件を満たせば、教育施設なども建築できます。静かで緑あふれる環境を求める方や、農業をやりたい方に向いています。

条件を満たすことで建築できる建物には、次のようなものがあります。

  • 学校などの教育施設
  • 病院
  • 神社
  • 直売所
  • 飲食店
  • 農業用倉庫

制限のまとめ

  • 建ぺい率:30・40・50・60%のいずれか
  • 容積率:50・60・80・100・150・200%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:10mまたは12m以下 (第一種低層居住地域と同じ)
  • 施設の床面積:500㎡未満

近隣商業地域

近隣商業地域は近隣の住民が買い物などを行う地域です。戸建てよりもマンションが多く、駅周辺もしくは商店街などがあり、幹線道路沿いであることが多いです。施設に対する床面積の制限がないため、映画館やオフィスなどが混在していることもあります。

工業関係では、床面積150㎡以下で危険性・環境悪化などのリスクがない工場、床面積300㎡以下の自動車修理工場など、若干の制限があるものの各種工場の建設も認められています。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:60・80%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400・500%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:なし(工場によっては制限あり)

商業地域

商業地域は、大型のターミナル駅の周りに広がる地域のことで、銀行や百貨店などが並ぶオフィス街となっているケースもあります。新宿駅周辺などが代表的です。

住宅を建てることは可能ですが、本来は商業施設向けの地域であることと、地価が高い傾向にあるため、個人が家を建てるには不向きといえるでしょう。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:80%
  • 容積率:200~1,300%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:なし

準工業地域

準工業地域は、幅広い分野の工場建設が認められている地域です。ただし、小規模で有害物質の排出などのリスクがない安全性の高い工場であることが条件になります。

危険物の分量がごく少量である場合は、危険物保管庫の設置も認められています。 そのほか、オフィスや店舗、飲食店、そのほか各種住宅も建設できます。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:50・60・80%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400・500%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:なし

工業地域

工業地域は、大型の工場など、準工業地域では建てられない規模の工場の建設が認められている地域です。危険物保管庫の設置も許可されています。主に、大規模の工場跡地や湾岸付近を指定する傾向があります。

住居としてはタワーマンションが多く、戸建てが極端に少ないか、見かけない地域もあります。マンションのすぐ近くに工場がある場合は、通勤時の交通手段によっては混雑することもあるでしょう。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:50・60%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:なし

工業専用地域

工業専用地域は工場と倉庫(危険物保管庫を含む)のみを建設できる地域で、住宅を建てることはできません。病院や商業施設といった工場以外の建物は、原則として建築不可となっています。茨城県の神栖市と鹿嶋市に広がる鹿島臨海工業地帯などが代表的です。

工業専用地域にある工場で就労する際は、工場専用地域の外にある宿泊施設を利用するのが一般的です。工場専用だけに、徹底的な管理体制があるといってもよいでしょう。

制限のまとめ

  • 建ぺい率:30・40・50・60%のいずれか
  • 容積率:100・150・200・300・400%のいずれか
  • 建物の絶対高さ制限:なし
  • 施設の床面積:なし
準工業地域・工業地域では工場近くに住宅があるケースも多く、危険物の取扱にはとくに注意が必要です。ワールドシェアセリングでは、さまざまなニーズにマッチする危険物保管庫の販売・レンタルを行っています。設置事例やスペック一覧については、こちらからご覧ください。

まとめ

今回は、用途地域について解説しました。事業拡大による工場建築・倉庫建築の予定がある方は、用途地域を参考に、それぞれのイメージや条件にマッチする地域を選んでください。

また、用途地域は都市計画に基づいて指定するため、変更や追加は各自治体が行います。 居住を希望するエリアで制限以上の住宅を建てたいと思っても、個人が簡単に変更・追加ができるものではありません。その点も含めて、条件に合う地域を探してください。

準工業地域や工業地域では、危険物を取り扱う工場や商業店舗も多いなか、こうした建物の付近に住宅が建てられていることも珍しくありません。とくにこのような地域では、住民の安全が守られるよう、危険物の厳重な貯蔵・管理体制が求められます。 ワールドシェアセリングは、危険物保管庫などのユニットハウス販売・レンタルを手掛ける会社です。法令遵守のうえで工場や各種倉庫の設置をしたい方は、ぜひワールドシェアセリングにご相談ください。