快適トイレコラム

仮設トイレの設置は工事現場で義務?背景や標準仕様について解説

仮設トイレの設置は工事現場で義務?背景や標準仕様について解説

仮設トイレは、災害などの緊急時や工事現場に設置される簡易トイレです。2023年4月時点では、工事現場への設置が標準化されており、しかも快適なトイレの設置が求められていることが特徴です。

快適トイレの設置にはさまざまな背景があり、今後はより快適な環境が整備されると予測できます。そこで今回は、工事現場での仮設トイレの設置について解説します。標準仕様や推奨仕様などご興味のある方は、ぜひ目を通してください。

仮設トイレの設置は工事現場で義務?

国土交通省は2016年より、原則すべての工事現場において「快適トイレ」と呼ばれる一定基準の仮設トイレ設置標準化を決定しました。標準化の理由としては、利用者が求めている快適さを満たす仮設トイレの流通が十分ではなかったことが挙げられます。

こうした施策以降、快適トイレは全国へ広く普及していくこととなります。日本トイレ研究所による調査によれば、2020年における生産台数・販売台数は、2016年に比べいずれも3倍以上まで増加しました。

仮設トイレの標準仕様が定められた背景

仮設トイレに対し「快適トイレ」という標準仕様が定められた背景には、衛生的観点から洋式トイレの積極的な採用を求める声も多く上がったことが理由として挙げられます。さらに、女性の社会進出増加にあたり、女性も働きやすい職場環境への改善促進も大きな目的です。

また、仮設トイレの主流が快適トイレに変わることで、災害時における避難所での仮設トイレ環境改善も副次的効果として期待されています。 標準仕様の仮設トイレを定めた背景について、さらに詳しく見ていきましょう。

衛生面の問題

2015年以前の仮設トイレは、簡易的な和式の仮設トイレが多い傾向にありました。しかし臭いや虫のわきやすさなど衛生面の問題から、洋式トイレの設置が求められるようになりました。

このほかにも、和式トイレの穴に落ちる、スマートフォンや財布などを落とすリスクがあるといったことにも配慮されています。

また、現場で働く方から、安心して利用できるトイレがない現場に対し不満が出たり、トイレを利用するたびに不快な思いをしたりすることも、仮設トイレの標準仕様が定められるきっかけになったといえるでしょう。

女性の工事現場への進出

近年は女性の社会進出が顕著であり、工事現場にも女性作業員が増えています。男性に比べてトイレ内に滞在する時間が長くなりやすい女性にとって、不衛生かつ不快な思いをするトイレは強いストレスになりやすく、洋式トイレへの切り替えを検討するきっかけになったといえます。

また、現代は女性も工事現場では大切な業務の担い手であり、人手不足が深刻な建設業界では「仮設トイレの問題による人材損失を避けたい」と考える企業もあるでしょう。こうしたことから、性別に関係なく誰でも快適に利用できるトイレの標準仕様が設けられたといえます。

国土交通省が定める快適トイレの標準仕様

建設現場に設置する「快適トイレ」の標準仕様は、必須項目から推奨項目まで含めて全17項目あります。快適さを追求した仮設トイレの標準仕様について、詳しく見ていきましょう。

求める標準仕様

快適トイレに求める標準仕様として、主に次のような機能が挙げられます。

  • 洋式便座
  • 水洗い機能(簡易水洗い、し尿処理装置を含む)
  • 臭い逆流防止機能(フラッパー機能)
  • 二重ロックなどの簡単に開かない施錠
  • 電源がなくても使用できる照明設備
  • 荷物置き場または衣類などをかけるフック(耐荷重5kg以上)
洋式トイレというだけでなく、臭いやセキュリティなどにも配慮していることがわかります。

備える付属品

標準として備える付属品は、次のようなものが挙げられます。

  • 男女別の明確な表示(現場に男女がいる場合)
  • トイレ入り口への目隠し(男女別トイレ間も入口が直接見えないよう配置)
  • 女性トイレへのサニタリーボックス設置
  • 鏡付き洗面台
  • 便座除菌シートなどの衛生用品
トイレを利用する際のプライバシーと衛生面に配慮していることがわかります。

推奨する仕様・付属品

快適トイレとして推奨する仕様・付属品には次のようなものがあります。

  • 半畳程度以上の室内寸法確保(900mm×900mm以上)
  • 擬音装置
  • フィッティングボード
  • フラッパー機能の多重化
  • 室内温度の調整ができる設備(窓など)
  • 小物置き場(トイレットペーパー予備置き場など)
従来の仮設トイレは大人の利用には狭く、トイレットペーパーをはじめとする小物や手荷物などを置く場所がありませんでした。そういった面に配慮して室内に余裕を持たせ、着替えもできるようフィッティングボードの設置も推奨しています。

また、擬音装置があれば性別にかかわらずプライバシーへの配慮にもなります。さらに、近年の気温上昇に伴い、室内温度の調整設備も推奨しています。

ワールドシェアセリングの快適トイレ「エリアル」女性仕様タイプでは、フィッティングボードに加えパウダールームを完備し、仮設トイレの常識を覆す清潔感をご提供します。

まとめ

今回は、工事現場への仮設トイレ設置の標準化について、施策の背景と標準仕様を解説しました。誰もが快適に利用できる仮設トイレ「快適トイレ」の販売および設置は、2016年の施策以降、全国に広まり続けています。

快適トイレは衛生面やプライバシーに配慮した標準仕様を備えており、快適トイレがより多く設置されれば、工事現場でも安心して作業できるでしょう。

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