地盤調査コラム

表層改良とは?メリット・デメリットや費用を解説

表層改良とは?メリット・デメリットや費用を解説

地盤改良工事の一種に、表層改良工法というものがあります。
ここでは、この工法の特徴を述べるとともに、表層改良工法の概要やメリットなどを解説していきます。地盤改良工事を予定している方は、ぜひ最後までご覧ください。

表層改良とは

地表から浅い軟弱な地盤を対象とした工法です。軟弱である地盤を1〜2m掘り起こしたあと、セメント系固化材を土とかき混ぜて固めることで地盤の強度を高め、沈下抑制を図ります。
表層改良を行うには、条件を満たす必要があります。条件は2つあり、それは深さと地盤の性質です。
深さに関しては、地表からの深さ2m迄の層に適用されます。地盤の性質に関しては、砂質土、粘性土地盤が基本的に適用地盤となります。
安全であることが確認できれば、この限りではありません。しかし、改良範囲内に地下水が含まれる地盤や改良範囲の下部に空洞が地中に存在する地盤には、施工できません。

表層改良工法のメリット・デメリット

実際に表層改良工法を行う前に、メリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。ほかの工法の内容と比べながら、適切な工法を選ぶことをおすすめします。

メリット

表層改良工法のメリットを2つ紹介します。ほかの地盤改良に関する工法ではやはり満たすのが難しい内容となっています。地盤改良工事を検討している方は、2つのメリットをしっかり把握しておきましょう。

工事費用が安く工期も短い

表層改良工法は、短い工期と安い費用が実現できるところが魅力的です。費用面は後述しますが、工期は1〜2日ほどで完了する短い工法です。地盤改良が必要であり、適用条件を満たしている地盤であれば、まずは表層改良工法を検討してみましょう。

対応できる土地や土の種類が幅広い

土地に関しては、高低差のある場所や狭い土地でも施工できます。なぜなら、バックホーという比較的小型な機械を使うためです。
また、対応できる土の種類も幅広いです。基本的には、砂質土・粘性土(ローム)に対応していますが、セメント系固化材を適用できる状態にすることで、腐植土や酸性土にも対応できるようになります。
特徴的な土地や土質でネックになっている場合でも、対応できる可能性は十分にあるため、一度検討してみましょう。

デメリット

やはり、表層改良工法にはデメリットも存在します。表層改良工法を実行するには、改良の対象となる地盤の状態の確認や業者選びが重要になってきます。

地下水位の高さが改良する地盤よりも上回ると施工不可

地下水位の高さが地盤よりも上回り、掘ったら水が出てきてしまうような場合は、表層改良工法を施工できません。地下水位の高さと地盤の高さを確認しておきましょう。もし、地下水位の高さが地盤よりも上回る状態で地盤改良が必要な場合は、ほかの工法を検討しましょう。

職人さんの技術によってムラが出やすい

数ある工事のなかでも、表層改良工法は高い技術力が求められます。そのため、職人さんの技術によって仕上がりにムラが出やすいです。ムラに関して心配である場合は、あらかじめ公式ホームページで各業者の業績を確認したり、口コミや評価を調べるようにしましょう。

表層改良の費用と手順

表層改良工法を行ううえで気になるポイントは、費用と手順に関してでしょう。表層改良工法を行う前に、費用と手順をあらかじめ把握しておくことは、地盤改良工法を選ぶうえでの重要な判断材料となります。

施工費用

表層改良工法の相場は、一部分を行うのか全体を行うかによって大きく異なりますが、一般的な戸建て住宅の7×8mの広さで30~80万円程になります。他にも地盤改良工事には柱状改良工法や鋼管杭工法があります。
同じく一般的な戸建ての大きさであれば、柱状改良工法で杭長5mが30本であれば80~100万、鋼管杭工法であれば同条件で100~150万程になります。杭の太さや長さによって、更に大きく変わることもあります。
費用に限定すると表層改良工法が圧倒的におすすめですが、やはり施工するには条件やデメリットも存在します。費用のみにとらわれず、業者の方と相談しながら表層改良工法が適した地盤であるかを判断することが大切です。
ただし、ロケーションによっては特定の工法でないと行政から建築の許可が下りない場合や、土質によっては固化材の使用が難しい場合もありますので、まずは施工業者に事前に相談しましょう。

施工手順

表層改良工法で踏む手順は5つです。はじめに、改良する深度まで地面を掘り、底を均一にします。その次に、掘り起こした地面に適量のセメント系固化材を入れます。
入れ終わったら土と固化材を混ぜていきますが、ここではムラなく混ぜることが重要です。その後、バックホーで表面を締め固め、転圧機でさらに固めていきます。最後にローラーで表面を滑らかに仕上げると、施工完了となります。

土地の利用を最適化する表層改良に続き、こちらでは地盤調査に関する基礎知識を解説します。地盤調査は建築の過程において欠かせない要素であり、正確な調査が安定した建物を築きます。地盤調査の調査方法や費用について気になる方は、ぜひご覧ください。

地盤改良ならワールドシェアセリングの地盤改良事業

ワールドシェアセリングでは、法令や基準を遵守した安心・安全の第三者の地盤改良事業を行っています。
改良工事のみにとどまらず、地盤調査から始まり、長期のアフターフォローまで実施していることが強みです。地盤改良をお考えの方は、ぜひワールドシェアセリングの利用をご検討ください。