地盤調査のコラム
柱状改良とは?メリット・デメリットや費用相場を紹介
建物を建てるとき、業者から様々なアドバイスをいただきますが、建築に詳しくなければ分からないことばかりですよね。土地改良工事もそのひとつです。地盤強化のために必要な土地改良工事は、それぞれ特徴があるため、業者から提案を受けた工法のメリットとデメリットは把握しておきましょう。
そこで今回は、土地改良工事のひとつ「柱状改良」についてご紹介します。
柱状改良とは?メリット・デメリットを解説
地盤を強化するにはいくつか方法があります。地盤の状態によって工法を選択しますが、地面の中層部分がやわらかい土地には、柱状改良がおすすめです。
柱状改良とは
柱状改良とは、建物を建てる範囲にセメントの柱を打って地盤を強化する工法です。地上から2m〜10mほどの深さにやわらかい地盤がある場合に用いられます。
使用する柱の本数は、建物の範囲が広くなるほど多くなります。また、補強する度合いが高いほど柱の本数が必要です。
柱状改良と鋼管杭の違い
柱状改良と鋼管杭の違いは、地盤を強化できる深さです。鋼管杭も柱状改良と同じく、柱を打って地盤を強化します。柱状改良が2m〜10mなのに対して、鋼管杭は地上から30mほどまでやわらかい地盤の強化が可能です。
また、打つ柱が柱状改良はセメントなのに対して鋼管杭は鋼管なため、より強度を高められます。鋼管杭はより地盤を強化したい場合に有効ですが、費用がほかの工法よりも高くなるところが難点です。
柱状改良を行うメリット・デメリット
柱状改良には、メリットだけでなくデメリットもあります。柱状改良を提案された場合は、両方をチェックしておきましょう。
柱状改良を行うメリット
柱状改良は地盤を強化する工法の中でも最も施工数が多く、ほかの工法と比較して費用を抑えられることがある工法です。打つ柱に必要な素材がセメントと土であることや、重機や道具も大掛かりなものが必要ないことが理由です。
工法によっては、地盤の固い層(支持層)まで掘削して杭を打つ必要がある既成杭の工法と違い、柱状改良工法は支持層まで打たなくても途中の地層との間で発生する摩擦によって支持する摩擦杭として設計ができることがあります。
摩擦杭として設計できた場合、杭の長さが短くなり、費用を抑えることにもつながります。
柱状改良を行うデメリット
セメントと土で柱を作る柱状改良は、土質により上手く固まらない可能性もあります。そのため、土質のことをよく理解した施工業者が、その土質に対して適切な固化材を選定しなければ、柱がしっかりと固まらないまま工事を進めてしまい、完成後にトラブルのもとになります。
また、ほかの工法と比べて、残土処理という問題が発生します。施工過程でどうしても発生するセメントの混じった土である残土は、そのままでは廃棄できず、産業廃棄物としての処理が必要です。そのため、改良施工以外に大きな金額が負担になります。
将来の話になりますが、家を建て替える際は、地中に埋まっている柱はセメントと土でできた産業廃棄物であり、撤去しなければなりません。地中深く埋まった柱を完全に撤去するには莫大な費用が発生するため、この辺りは事前に家族でよく話し合って決めることをおすすめします。
柱状改良の工期と費用相場
柱状改良の工期は、一般的な大きさの住宅であれば1日〜2日程度です。施工後の養生期間を含めても、3日〜5日程度で完了します。
また柱状改良の費用相場は、30坪程度の住宅で杭長が3~4mほどであれば、杭数30本程で60万円前後です。杭長が伸びたり、床面積が増えたりと変更がある場合、費用はさらに増加します。
施工に必要な水を現場で確保できなければ、給水車の手配費用が必要となるほか、工事によって発生する残土の処分もあわせる場合は、さらに金額が上がります。また、費用は地盤の状況によっても変わるため、予算は高めに組んだ方が無難です。
柱状改良の流れ
建物を建てる場合は、まずは地盤の状態を確認します。これが地盤調査です。地盤調査では地盤強化が必要かどうか、必要ならどんな工法が適切かを見極めます。地盤調査は法律上義務付けられています。
柱状改良は以下の流れによって行われます。
- 1. セメントと土を混ぜたものを注入しながら掘削する
- 2. 基礎が動かないように根固めする
- 3. 土地とセメントを撹拌しながら少しずつ引き上げる
- 4. セメントを締め固める
- 5. 3と4を繰り返して天端を仕上げる
柱状改良は信頼できる業者に依頼しよう
柱状改良のデメリットでも触れたとおり、柱状改良は施工業者によって強度が異なる場合があります。そのため、依頼する施工業者選びはとても重要です。
信頼ある経験豊富な業者に依頼したいなら、ワールドシェアセリングをおすすめします。ワールドシェアセリングは地盤調査から改良工事の提案と施工を行っています。また、初期補償は20年間で最大5,000万円までなど、アフターフォローも充実です。
柱状改良について解説しましたが、表層改良も地盤の安定化を目指す手法です。こちらでは、表層改良のメリット・デメリットや費用について解説します。併せてご覧ください。
まとめ
柱状改良とはセメントの柱を地中に打って、地盤を強化する工法です。2m〜10mほどの深さにやわらかな地盤がある場合に用いられます。
柱状改良はほかの工法よりも費用を抑えられる、地盤に固い地層がなくても施工できる場合があるところがメリットです。しかし、業者によって強度が異なる場合があるため、信頼できるところに依頼しましょう。
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