地盤調査コラム

腐植土が多い地盤の特徴は?改良方法と費用相場を解説

腐植土が多い地盤の特徴は?改良方法と費用相場を解説

地盤の土質にも種類があるのはご存知ですか?土質は、大きく分類すると粘性土と砂質土の2種類です。腐植土などの粘性土が多い地盤に建物を建てると、さまざまなリスクがともなうため、そのまま建てることはできません。

しかし、しっかり地盤調査して的確な土地改良を行えば、腐植土の多い地盤の上に建物を建てることはできます。

そこで今回は、腐植土が多い地盤の特徴と改良方法を紹介します。どんな業者に地盤調査を依頼したらいいのかのポイントも解説していますので、参考にしてください。

腐植土が多い地盤の特徴

沼地など葦が生い茂る場所の地盤は腐植土です。水田跡地の造成宅地によく見られます。腐植土が多い地盤の上にそのまま建物を建てるにはリスクがともないますので注意しましょう。まずは腐植土について解説します。

腐植土とは

腐植土とは、微生物によって植物や動物の死骸などが分解する際にできた有機物の土壌です。平地の腐植土は泥炭化しやすいため、ドロドロとした形状をしています。水分を多く含んでいるため、上から重さが加わったり乾燥したりすると沈むのが特徴です。

一般的な砂質土は時間が経つと安定した地層となりますが、腐植土は安定しません。

腐植土と腐葉土の違い

腐植土は土壌であるのに対し、腐葉土は堆肥の一種です。腐葉土は落ち葉などの植物が積み重なり、時間をかけて熟成することで完成します。畑やプランターなどで培養土として使われ、フカフカとした感触です。

腐植土が多い地盤に建物を建てるリスク

腐植土が多い地盤に建物を建てるには、沈下リスクと浸水リスクがあります。腐植土はスポンジのように外から圧力がかかると縮みます。この特徴から、腐植土の多い地盤に建物を建てると考えられるのが圧密沈下です。

沈下はなかなか完了せず、完全に沈下が終わるには長い年月がかかります。10年ほど経過しても、まだ沈下が続いている場合も少なくありません。

圧密沈下する腐植土は粘性土です。粘性土は堆積するために長い時間がかかるため、水の流れがゆっくりで、濁流もたまりやすい性質があります。よって、洪水による浸水リスクが高まります。

腐植土が多い地盤の場所に建物を建てるなら、地盤沈下と浸水リスクがあることを覚えておきましょう。

腐植土が多い地盤かどうかを調べる方法

腐植土が多い地盤かどうかは、圧密試験とSWS試験で確認できます。それぞれの試験方法を紹介します。

圧密試験を実施する

圧密試験とは地盤から採取した試料を用いて、地盤の沈下量や沈下速度、透水性を測定する試験方法です。圧密試験は段階載荷による試験と、定ひずみ速度載荷による試験の2種類あります。

圧密試験の結果が過圧密であったとしても、腐植土の懸念がある場合は、必ず沈下量を測定しましょう。

SWS試験を実施する

SWS試験とは地盤に鉄の棒状のロッドを垂直に刺して、沈み方から地盤の固さや締まりを調査する試験方法です。ロッドが沈みにくい場合は、地盤が固いと判断し、スムーズに沈んだ場合は、地盤がやわらかいと判断します。地盤がやわらかいと判断された場合は、土地改良が必要です。

ただし、腐植土化の判断は困難な場合もあります。SWS試験を利用する場合は、周辺の環境や建物状況なども観察して判断するのが適切です。腐植土はどちらの試験を用いる場合でも、追加の測定や周辺の観察など、総合的に判断する必要があります。

信頼できる業者に調査を依頼することが大切

地盤調査の中でも、腐植土であるかの調査はとくに判断が難しいため、知識があり経験豊富な業者に依頼することが重要です。信頼できる業者を探すなら「ワールドシェアセリング」をおすすめします。

「ワールドシェアセリング」は独自の地盤ビッグデータを使用しているため、周辺の土地や地盤情報をもとに、スムーズな地盤調査が可能です。軟弱な地盤データが検出された場合は、補測調査の必要性があるかを確認するなど、地盤調査の実施前に徹底した情報収集を行う業者です。

腐植土が多い地盤を改良する方法

腐植土に対応した固化材もさまざまに開発されていますが、腐植土が多く含まれる土壌であれば、あえて柱状改良以外を選ぶのもよいでしょう。

既成杭である鋼管工法や木杭工法、形成杭でもピュアパイルのような、土質に影響を受けない工法を選ぶのもひとつの方法です。

ここまで腐植土が多い地盤の改良方法や費用相場について解説しました。住宅の品質向上という点では省エネ計算も重要です。こちらでは、ZEHについて、3つの基準や省エネ計算について解説しますので、併せてご覧ください。

まとめ

腐植土は水分を多く含んでいるため、建物を建てる場合は、地盤が沈下する懸念があります。完全に沈下が完了するには長い年月がかかるため、数年待っただけでは沈下は止まりません。また、腐植土は粘性土のため水の流れも緩やかで濁流も溜まりやすく、浸水リスクも考えられます。

建物を建てたい場所が腐植土の多い地盤かどうかを調べたいなら、まずは知識のある経験豊富な業者に相談するのがおすすめです。地盤の状態に応じたアドバイスをもらえます。

地盤調査ならワールドシェアセリングにお任せください。当社は独自の地盤ビッグデータを使用するため、周辺の地盤情報も参考に、正確な調査が可能です。

腐植土のような周辺と異なる軟弱なデータが検出された場合は、補測調査の必要性も確認いたします。まずはお気軽にご相談ください。