地盤調査コラム

地盤保証とは?制度の必要性や内容・費用などを紹介

地盤保証とは?制度の必要性や内容・費用などを紹介

地盤は家を支える土台であり、もし地盤にトラブルが起こると建物だけでなく、そこで暮らす人にも大きな影響を及ぼします。新築物件の地盤トラブルに対応するための制度が、地盤保証です。

この記事では、地盤保証の制度や、保証される内容、保証にかかる費用について解説しています。

地盤保証の制度とは

地盤保証は新築物件の施主が契約するものではなく、原則として建築会社が 地盤保証に加入し、手続きを行います。新築住宅を建築会社に依頼する際は、地盤保証機関などに加入している業者かどうかをチェックしてから、購入先を決めるとよいでしょう。

必要性

地盤には、不同沈下のリスクがあります。水分や空気を多く含んだ土は軟弱地盤と呼ばれ、その上に建物を建てると、建物の重みによって徐々に土の中の水や空気が抜けていってしまいます。

このときに、建物が不均等に沈み込む現象を「不同沈下」といい、建物にさまざまなトラブルを引き起こします。代表的な例としては、建物の基礎や壁にヒビが入ったり、床が傾いたりするケースが挙げられるでしょう。

また、建物が歪むことで、扉や窓が開きにくくなることもあります。さらに、不同沈下によって建物を支える骨組みが曲がってしまうと、窓などのすき間から入った雨水が内部に侵食し、建物を傷める原因になります。

不同沈下は人体にも影響を与えるといわれており、住宅が傾くことで平衡感覚に狂いが生じて、めまいや吐き気、ふらつきなどの健康障害が起こる 可能性もあるため、注意が必要です。

このような、不同沈下を起因とした住宅トラブルへの対処法として「地盤保証」の制度があります。

平成12年4月に「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施工され、新築で建てられた物件が基礎を起因として傾いた場合に、引渡日から10年間にわたって補修義務が生じると定められました。

地盤に関しては基礎部分に含まれませんが、軟弱な地盤を考慮せずに基礎を設計・施工し、その結果、不同沈下が起こった場合は基礎の瑕疵にあたり、10年間の保証義務の対象とされます。

不同沈下が起こった際に、施工業者は再発防止のための地盤工事や建物の補修、工事期間中の仮住まいの費用などを負担しなくてはなりません。そこで、建築会社は地盤保証機関に加入し、地盤保証の契約を結んで、いざというときのために備えます。

地盤保証では、施工業者のミスや不備以外の原因で不同沈下による建物のトラブルが起こった場合でも、保証されるケースがあります。

保証内容

地盤保証で保証が認められる内容は、契約する地盤保証機関によって違います。ここでは、代表的な地盤保証機関を2つ例に挙げて、その保障内容を紹介します。

住宅保証機構では、1事故あたり5,000万円を限度に保険金が支払われます。そのうち、地盤補強に必要な工事費用は最大2,000万円、仮住まいの費用は最大50万円まで。保険金額は、(保証の対象となる損害額 - 10万)×80%で算出されます。

住宅保証機構で保証の対象と認められるのは、不同沈下の再発を防ぐための地盤補強工事と、不同沈下が要因となって起こった建物本体の不具合に関する補修工事です。仮住まい費用と、不同沈下で生じた身体・財物にかかる賠償費用も保証されます。

次に、住宅技術協議会の例をみていきましょう。保証限度額は、住宅保証機構と同じく5,000万円までとなります。不同沈下した地盤の修復費用は2,000万円まで保証され、仮住まいと転居にかかる費用は200万円まで支払われます。

また、そのほかにも、訴訟対応費用は1,000万円まで、事故原因究明費用は200万円まで、初期対応費用は500万円まで保証の対象です。

地盤保証の利用にかかる費用

地盤保証に加入するのは施工をおこなう建築会社 なので、地盤保証の費用はその建築会社が負担します。原則として、施主が地盤保証の費用を負担することはありません。

地盤保証にかかる料金は、地盤保証機関ごとに設定されているため、登録する地盤保証機関へ確認が必要です。

ひとつの例として、住宅保証機構の地盤保証料金をみていきましょう。まず、新規で登録する場合は、

建築会社登録料として55,000円(税込)がかかります。これは1年間有効で、2年目以降は27,500円(税込)の更新登録料を支払わなければなりません。

登録料とは別に、1地盤あたり27,500円(税込)の地盤保証料も必要です。地盤保証料を地盤保証機関に支払うと、登録している建築会社に「保険加入証」が発行されます。

地盤保証を利用する際の注意点

地盤保証の利用にあたって、いくつか注意点があります。まず保証の内容についてですが、建築会社が登録する地盤保証機関によって、保証される対象範囲や限度額が異なるため、事前に詳細を確認しましょう。

保証期間にも幅があり、10年間としているケースや、20年間の長期保証を提供しているケースなど、さまざまです。近年では地盤保証に特約をつけるパターンも増えていて、地盤が液状化したなどのトラブルに備えて、オプションが付けられる保証もあります。

ただし、保証される項目が多ければ、その分、保証料金も高くなりがちです。特約を多く付ければ安心度は上がりますが、登録建築会社の費用負担は大きくなるでしょう。

また、地盤保証の被保険者が建築会社となっている場合、その建築会社が倒産してしまうと保証が受けられず、保証金が出ないリスクがあります。

そういったケースに備え、社団法人と連携して、万が一、建築会社が倒産した後でも、保証が有効になるような制度を用意している団体も存在します。

被保険者を建築会社と社団法人にすることで、もし建築会社が倒産しても、社団法人が存続している限り、保証が有効です。

地盤調査の結果に疑問や不安がある場合、セカンドオピニオンを取ることが大切です。こちらでは、地盤調査のセカンドオピニオンについて、必要性や費用についても解説しますので併せてご覧ください。

まとめ

新築で家を建てる際には、不同沈下のリスクと、地盤保証の制度について理解しておくことが大切です。

ワールドシェアセリングでは、20年間の長期地盤保証をお約束しております。20年一括契約のため、途中で保証が切れる心配もありません。保証金額は最大5,000万円までとなります。

20年の保証期間が満了したあとも、有償点検を受けていただいた場合は10年ごとに延長保証を提供する、充実した保証内容です。

地盤保証のご相談は、ワールドシェアセリングにお問い合わせください。
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