地盤調査のコラム
SWS試験とは?方法やメリットを詳しく解説
新しく家を建てる際は、地盤調査を行い、土地の強度が十分か調べる必要があります。SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)とは、そうした地盤強度を調査する手法のひとつです。
では具体的にどのような方法で実施されるのか、また、ほかの調査方法と比べてどのような点で優れているのでしょうか。今回はSWS試験の基本知識をはじめ、具体的な調査方法やメリットについて解説します。SWS試験に興味関心を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
SWS試験とは?
SWS試験とは、地盤の強度を調べる簡易調査法のひとつです。この試験では、軟弱層の土の硬軟や締まり具合などから割り出した測定値を用いて、地盤の強度(換算n値)を求めます。
かつてはスウェーデン式サウンディング試験とも呼ばれており、その名のとおり1917年頃にスウェーデンで実施されていた路盤調査の手法でした。その後周辺国に広がり、日本でも1976年にJIS規格に制定されています。2020年になると国名を考慮して、現在のスクリューウエイト貫入試験方法に名称が変更されました。
礫や玉石交じりの層、固結地層では機材が貫入不可になるため、別箇所で調査をやり直さなければなりませんが、戸建住宅の建築を行う際の地盤調査で広く使用されています。
SWS試験の方法は?
続いて、SWS試験の具体的な実施方法を解説します。測定の適応範囲や測定ポイントの数、また追加調査をするケースの3点について、順番にチェックしていきましょう。
SWS試験の適応範囲について
調査の際に使用するスクリューの直径が33mmであるため、点の調査になります。また、調査可能な深度は一般的に地中10m程度 ですが、支持層の深さによっては最大20m程まで調査するケースもあります。
SWS試験の測定ポイント数
一般的な広さの土地であれば、土地の四隅、そして中央の5つのポイントが調査対象です。ただし、建物の形状や規模によって、測定ポイントの数は変動します。
SWS試験の追加調査する場合
地盤調査は、目視で直接地盤を確認できません。そのため、正確なデータ収集と解析が必須です。1箇所だけほかのポイントとデータが異なるときや、障害物があって貫入できないとき、そして支持層が傾斜しているときなどは、追加調査の必要があります。
このように、地中に何らかの問題がある場合でも、ワールドシェアセリングのSWS試験では調査ポイントを再度微調整したうえで補足データを取るため、より正確な解析結果を得られます。
SWS試験のメリット
地盤調査にはSWS試験以外にも、ボーリング調査や表面波探査法、そして平板載荷試験などがあり、それぞれ異なる強みが存在します。最後に、SWS試験のメリットについて紹介します。
調査に時間がかからない
地盤調査は、調査方法によって作業時間が大きく異なります。調査時間が長くなると、建築物などの工事を始めるまで時間がかかるため、可能な限り速やかに地盤調査を終えることが望ましいでしょう。
たとえば、ボーリング試験の場合は結果がわかるまで1日から数日ほど時間が必要です。報告書の作成を含めると、10日から2週間かかります。
一方SWS試験であれば、1箇所につき調査に必要な時間は30分程度のため、早ければ半日、多少時間がかかっても1日程度で作業が終了します。
費用が抑えられる
地盤調査にかかる費用も、調査方法によって異なります。地盤の状態や深さ、範囲によって多少変動しますが、重機を使用するボーリング調査の場合は、1ポイントあたり20〜30万円が相場です。
一方で、SWS試験の費用相場は5ポイントの調査で5~10万円程度と低価格であるため、ボーリング調査と比較すると大きくコストを下げられます。ある程度精度の高い調査をしつつ、できるだけ費用も抑えたい方にとって、魅力的な調査方法といえるでしょう。
難しい場所でも調査ができる
調べる土地の場所や状態によっては、特定の地盤調査の手法が選択できない場合があります。SWS試験は、比較的小規模な地盤調査に適した手法のため、狭い土地でも手軽に地盤調査ができる点が強みです。
たとえば、ボーリング調査をする際は各種大型機材を使用しますが、こうした機材が搬入できない狭い土地でボーリング調査を実施するのは困難です。また、水上や斜面上であれば足場を組んで対応できますが、足場の組立費用が追加計上されます。
地盤の変化に対応できる
同じ敷地内でも、地盤の状態が異なるケースは決して珍しくありません。実際には地盤改良が必要な状態であるにもかかわらず、問題点を見抜けず工事を実施すると、のちに大きな住宅トラブルを招くでしょう。
SWS試験は、敷地内の複数のポイントで、地盤の強度の調査を実施します。そのため、地盤の変化を捉え、正確な調査結果を出すことが可能です。
こちらの記事では、地盤調査に深く関連のある「n値」について解説しています。SWS試験で求められる「換算n値」との違いにも触れているため、ぜひお役立てください。
まとめ
対応できる土地の幅が広く、調査費用も安価なため、SWS試験は地盤調査の手法のなかでもメジャーな存在です。
SWS試験による地盤調査をご検討中の企業様は、ぜひワールドシェアセリングにご用命ください。経験豊富なスタッフが、独自の地盤ビッグデータをもとに正確な調査を行います。興味を持った方は、公式サイトからお問い合わせください。