危険物倉庫とは、日々の安全と環境保護を守るために不可欠な施設です。しかし多くの方にとって、その具体的な役割や法的要件は、まだぼんやりとしたものかもしれません。
本記事では、危険物倉庫とは何か、そもそも危険物とは何なのかといった基本から、建築基準法によって定められている危険物倉庫の基準、関連する許可・法令などについて詳しく解説していきます。
危険物倉庫とは?
危険物倉庫は、法律で定められた危険物を安全に保管するための特別な施設です。
危険物倉庫を用いて危険物を管理することで、危険物の取り扱いに関する規制を遵守することができます。また、それに伴い、危険物による火災や爆発といった不慮の事故のリスクを抑えることができ、危険物の盗難や不正使用の防止にもつながります。
危険物倉庫は、危険物を取り扱う現場の安全を守ってくれる設備なのです。
危険物とは何か?
危険物とは、引火性、爆発性、有害性など、人命や財産に損害を与える可能性を有した物質のことです。
法律では、これらの物質を特定し、厳格な取扱い基準を設けています。
たとえば、消防法では危険物を「酸化性固体」「可燃性固体」「自然発火性物質および禁水性物質」「引火性液体」などに分類し、それぞれに応じた保管方法を定めています。
具体例として、塩素酸塩類や過塩素酸塩類、硫黄、アルコール類などが挙げられます。
これらの物質は、火災や爆発のリスクが高いため、特別な設計が施された危険物倉庫での保管が義務付けられているのです。
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建築基準法に定められた危険物倉庫の基準とは?
危険物倉庫は、引火や爆発のリスクを抱える危険物を安全に保管するための施設です。
建築基準法や消防法に基づく厳格な基準に則って設計・建築される必要があります。
ここからは、建築基準法でに定められている、危険物倉庫の3つの基準を解説していきます。
- 構造に関する基準
- 位置に関する基準
- 規模に関する基準
それぞれ順に見ていきましょう。
①構造に関する基準
危険物倉庫の基準の一つとして、まず挙げられるのは「構造に関する基準」です。
たとえば、【耐火性能を有する建材の使用】【適切な換気設備の設置】【防火区画の確保】などが定められています。これらの基準は、万が一の事態に備え、火災の発生を防ぎ、拡大を抑制するために不可欠です。
また危険物倉庫は位置や規模、構造などでも多角的な基準を満たすことが求められます。
例として、軒高は6メートル未満、床面積は1000平方メートル以下であり、屋根は軽量金属板などの不燃材料を用いる必要があります。
さらに、壁や梁、床は耐火構造であることが必須です。
これらの基準を遵守することで、危険物倉庫はその機能を十分に果たすことができます。
しかし、設計・建築においては、これらの基準だけでなく、地域の条例や具体的な危険物の特性にも配慮する必要があります。
安全性を最優先に考えた設計が、危険物倉庫には不可欠です。
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②位置に関する基準
危険物倉庫は、位置、つまり倉庫の立地についても基準が設けられています。
これは、周囲の環境への影響を最小限に抑えるためです。
住居や学校、病院、また重要文化財など、危険物の影響から守るべき建物を「保安対象物」といい、保安対象物ごとに、危険物倉庫の設置にあたり確保すべき距離である「保安距離」が定められています。
また、危険物の量や倉庫の構造に応じて、必要な空地を保有することが義務付けられています。
これらの基準は、安全性を確保する上で欠かせない要素です。消防や自治体との協議を通じて、基準を満たした上で許可を得る必要があります。
③規模に関する基準
「規模などに関する基準」では、危険物倉庫は軒高6m未満の平屋であること、床面積が1000㎡以下であることなど、具体的な制限が設けられています。
これらの基準は、周辺環境への影響を最小限に抑えることを目的としています。
この柔軟性と効率性は、特に薬品系の製造事業者など、危険物の保管が必要な業種にとって欠かせないポイントです。
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危険物倉庫に関する許可・法令
危険物倉庫の設計と建設における法令と許可については、企業や業界関係者にとって非常に重要なテーマです。以下の表に、概要をまとめました。
法律名 | 概要 | 危険物・危険物倉庫に関する内容 |
都市計画法 | 都市開発に関する規制や条件を定めている法律 | 倉庫を建てられる区域の規制 |
建築基準法 | 建物や土地に関する基準を定めている法律 | 倉庫の面積や高さ、容積率など建築にまつわる条件 |
消防法 | 火災予防の観点で建物や設備の基準を定めている法律 | 危険物の定義や、管理・取り扱いの方法 |
港湾法 | 港湾区域や臨港地区の工事に関する条件を定めている法律 | 船舶に積み込まれる危険物の定義や取り扱いの方法 |
危険物の規制に関する政令 | 消防法における「危険物」の項目のための規定 | 危険物の定義や管理・取り扱いの方法 |
火災予防条例 | 各市町村で、火災予防を目的に定められている条例 | 危険物の取り扱い・保管の方法 |
消防法では、危険物の保管に関して厳格な基準を設けており、危険物倉庫の建設にあたっては、これらの基準に従うことが義務付けられています。
たとえば、【一般住宅や学校、病院などからの保安距離の確保】【延焼防止のための空地の保有】【耐火構造の壁や不燃材料の使用】【液状危険物貯蔵時の床構造の特定】などが求められます。
これらの基準は、火災や爆発時のリスクを最小限に抑え、人々の生命と財産を守るために設計されています。
また、危険物倉庫を建設する際には、消防法だけでなく、建築基準法や火災予防条例などの専門的な法令、さらには各自治体で定める条例もあわせて確認し、遵守することが求められます。
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危険物保管庫・貯蔵庫との違い
危険物倉庫のほかに、「危険物保管庫」「危険物貯蔵庫」とよばれるものもあります。ただし結論から言うと、これらに明確な違いはなく、同じものを指すことがほとんどです。
そのため、危険物保管庫・貯蔵庫と記載されている製品も、危険物倉庫と同様の設備だととらえて問題ありません。
なお、危険物倉庫の工法には、ユニットハウス式やテント倉庫、在来工法などがあり、工法の違いによって呼称を使い分けているケースはあるようです。ただしいずれの場合も、法律により定義が定められているわけではないため、取り扱い業者ごとに定義が異なります。
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ワールドシェアセリングの危険物保管庫
ここでは、ワールドシェアセリングがレンタル・販売で取り扱っている危険物保管庫を紹介いたします。
取り扱いタイプ
ワールドシェアセリングでは、「少量危険物保管庫」と「危険物保管庫」の2種類を取り扱っております。
それぞれの概要は以下をご覧ください。
区分 | 少量危険物保管庫 | 危険物保管庫 | ||
保管対象 | 危険度数が0.2~1倍未満の場合 | 危険度数が1~10倍未満の場合 | ||
名称 | Aタイプ | Bタイプ | Cタイプ | D 耐火構造タイプ |
外壁 | 亜鉛メッキカラー銅板0.5mm(共通)材料認定番号NM-8697 | 亜鉛メッキカラー銅板0.5mm(NM-8697) + ケイカル板36mm(告示第1399号、第一、六、ロ) | ||
ブレーカー | 20A外部樹脂製ボックス内(防水型) 電気配管樹脂製 | 20A外部樹脂製ボックス内(防水型) 電気配管金属製 | ||
給気設備 | ガラリ(200mm×150mm) | ガラリ・FD(ファイアーダンパー)付(200mm×150mm) | ||
照明 | LED照明 13.6W×1灯 | 40W×1灯(1坪20W×2灯)安全防爆型照明 | ||
換気設備 | 自然換気ベンチレーター 100Φ (ガルバリウム銅板性) t=0.5 | 強制換気FD(ファイアーダンパー)付ベンチレーター 200Φ (ガルバリウム銅板性) t=0.5 | ||
床 | 縞銅板4.5mm(銅板継手溶接)溜桝付・床勾配あり(溜桝側へ) SOP塗装 | コンクリート t=80(現場施工) 床勾配あり(溜桝側へ) | ||
内壁 | 外壁裏面表し | ケイカル版 t-10mm |
なお、いずれのタイプも1坪・2坪・3坪の製品をそれぞれご用意しております。また特注の0.5坪・1.5坪・2.5坪の取り扱いもございますので、まずはご相談ください。
また、A~Dタイプに共通している設備は以下です。
・構造体:軽量角型銅管
・屋根:ルーフデッキ t-0.6mmガルバリウム銅板(共通) 材料認定番号NM-8697
・天井:屋根仕様にて一括
・建具:スチールドア(特定防火設備・親子ドア)W1,300×H2,000
※……出入口幅は特注で変更が可能です。
選ばれる理由
株式会社ワールドシェアセリングの危険物保管庫は、以下の3つの理由で多くのお客様からお選びいただいております。
低コスト×高品質
ワールドシェアセリングでは、高品質な設備を低コストで導入可能です。
コスト面で特におすすめなのがレンタルプラン。ワールドシェアセリングのレンタルプランは初期費用無料・保守契約が不要で、必要な期間のみリーズナブルな価格で危険物保管庫をご利用いただくことができます。
さらに、レンタル期間終了後は、そのままご購入いただくことも可能!
現時点で利用期間が決まっていない状況下で、できるだけ無駄な出費を抑えて高品質な危険物保管庫を利用したい方にピッタリのプランです。
ユニット型でスピーディーな設置が可能
ワールドシェアセリングの危険物保管庫は、工場で完成した製品を現地にお届けする「ユニット型」です。そのため、設置・移転・撤去の際もスムーズに作業が進みます。
工事不要で2~3時間程度で作業が完了するため、スケジュールの調整が難しいお客様もご安心いただけます。
豊富な導入実績
これまでに2,600件ものお問い合わせがあり、官公庁をはじめ電力会社や薬品会社、空港などあらゆる業種のお客様にご利用いただいております。
導入実績をもとに、どんな業種のお客様にもスムーズな対応が可能です。
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危険物倉庫とは特定の基準と法令に基づき設計・建設される施設
この記事では、危険物の定義から、危険物倉庫の建築に関する基準、さらにはそれらを管理するための許可や法令について詳しく解説しました。
危険物倉庫とは、引火性、爆発性、毒性などの危険を伴う物質を保管するために特別に設計された施設であり、その設立と運用には厳格な法令が適用されます。
これらの情報を理解し、適切に活用することで、危険物を安全に扱い、同時に法的な要件を満たすことが可能です。
危険物倉庫をお探しの企業様は、ぜひ株式会社ワールドシェアセリングまでご相談ください。
豊富なラインナップのなかから、お客様のご条件に合う高品質な製品を、低コストで提供いたします。
危険物保管庫や少量危険物保管庫・貯蔵庫ならワールドシェアセリングへ