工事現場で仮設トイレの設置義務はある?積算方法もご紹介! 

工事現場で仮設トイレの設置義務はある?積算方法もご紹介! 

国土交通省が、2016年に建設現場への「快適トイレ」の標準仕様を決定した背景には、作業環境の質の向上があります。

本記事では、快適トイレの重要性や具体的な仕様、設置に関する義務、快適トイレをおすすめする点、現場での女性の活躍促進、衛生面での改善効果、現状と展望について詳しく解説します。

仮設トイレは工事現場で設置が義務?

建設現場における仮設トイレは、現場で作業する人たちにとって欠かせない設備です。

国土交通省は、2016年から、衛生的で快適に使用できる水洗式トイレ、通称「快適トイレ」の標準仕様を発表しました。

快適トイレは、心地よく利用できることを目的に、多くの場所で使われています。
義務付けられているわけではないので、全面的に普及しているわけではありません。
あくまでも、推奨というかたちで、特に国土交通省が管理する工事現場での採用が進んでいます。

快適トイレの標準化は、利用者の使い勝手の向上を意図しており、多くの建設現場でトイレの環境改善に貢献しています。結果として、どの作業者も快適に使えるトイレ設備が整いつつあります。

関連記事:快適トイレとは?基本情報や条件の解説

工事現場で仮設トイレの標準仕様が定められた理由

建設現場における仮設トイレは、作業者の健康を守り、気持ちよく作業を行う環境づくりを目的に導入されました。

以下では、快適トイレの導入が建設現場での労働条件をどのように向上させているか、そして女性労働者の仕事への参加拡大に、どのように貢献しているかを詳しく説明します。

女性の活躍推進

建設業界で活躍する女性の数が増えるにつれて、トイレ環境の向上が女性の支援と仕事への定着を促進する重要な施策となっています。

和式の非水洗トイレは、特に、女性にとって使用が不便、かつ清潔でないことが多く、職場での不満や離職の原因につながることもあります。
建設業界が直面する人手不足の課題を克服するためには、女性が気持ちよく働ける環境の整備が急務です。

女性の働きやすさを大きく改善するにあたって、使い勝手が良く衛生的な「快適トイレ」の導入が進んでいるわけです。

衛生面の問題

かつて建設現場では、和式の非水洗トイレが普及していました。

しかし、ニオイがきついことや虫の発生といった衛生問題、定期的な清掃の必要性、安全上の懸念など、多くの課題があったのです。

これらの課題は作業員の不満の原因となり、職場環境の質を下げていたため、これに応えるかたちで「快適トイレ」への標準化が進められています。

この取り組みの目的は、すべての人が使いやすく、清潔なトイレ環境を実現することにあります。
水洗式洋式トイレへの切り替えは作業現場の環境を大きく改善し、そこで働く人々の満足感を向上させることが期待されています

仮設トイレの現状

近年では、多くの現場で家庭同様の水洗洋式トイレを導入する動きが見られ、作業員がトイレを気持ちよく使用できるようになりました。

一方で、費用面から和式の非水洗トイレを、維持せざるを得ない現場も少なくありません。

仮設トイレの環境が整うと、災害時などで使用される仮設トイレの快適さも、より向上することが期待されています。

このような副次的な効果において、結果として快適トイレの設置に消極的だった現場でも、仮設トイレを快適な空間へと移行する流れが加速しています。

快適トイレに求められる仕様とは?

国土交通省の定義によれば、「快適トイレ」とは、すべての利用者が使用しやすいように設計された仮設トイレのことを指します。

快適トイレに求められる仕様

  • 洋式便座
  • 水栓機能
  • ニオイを抑える仕組み
  • 確実な施錠機能
  • 照明設備
  • フックまたは荷物置き場設備
  • 性別を示す表示
  • 入り口の目隠し板
  • サニタリーボックス
  • 鏡がついた洗面台
  • 便座の除菌シート
  • 広々とした内部スペース
  • 擬音装置
  • 室内の温度調整が可能な機能

上記に記載されている「広々とした内部スペース」以降の3点に関しては必須ではないものの、使用者が快適に利用できるよう、導入することが勧められています。

快適トイレの基準がまだ適用されていない現場においても、これらの改善点を導入することで、より良い労働環境を実現できます。

関連記事:快適トイレの気になる機能や内装・設置するメリットを解説

仮設トイレにおける工事現場での設置基準と積算方法

工事現場における仮設トイレの設置には、定められた基準と正確なコスト計算が求められます。

以下では仮設トイレを工事現場に設置する際の基準と、その費用をどのように計算するかについて詳しく解説します。

仮設トイレにおける工事現場での設置基準

建設現場に設置する仮設トイレの場所によって、必要な手続きが異なります。

敷地内に設置する場合は、特別な基準が設けられておらず、建築物としての扱いを受けないため、比較的柔軟に配置することが可能です。

一方で敷地外、特に公道に設置する際には、警察署への道路使用許可や道路占有許可の申請が必要になります。
設置場所による手続きの違いは、仮設トイレの設置計画を立てる際に重要なポイントとなります。

法令を遵守するために必要な注意事項なので、新たに仮設トイレを導入する場合は必ず確認しましょう。

【関連記事】
仮設トイレの設置方法を4つの手順で解説!設置場所から工事後まで
仮設トイレの設置費用とレンタル費用の相場は?

仮設トイレにおける工事現場での積算方法

工事現場における仮設トイレの設置費用は、共通仮設費の一部として計上されます。

共通仮設費とは、工事作業との直接的な関係がないものの、工事をスムーズに運営するために発生する経費のことです。

仮設トイレのほか、工事現場の道路整備や周囲の保護施設の設置、仮設事務所の建設などもこのカテゴリーに含まれます。

プロジェクトを効率的に進行するため、これらの経費は計画段階で正確に見積もり、計上しておきましょう。

仮設トイレを工事現場でおかなくてもいい場合はあるの?

工事現場で仮設トイレの設置が重視されていますが、必ずしもすべてのケースで必要とは限りません。

工事の規模が小さかったり作業期間が短かったりするプロジェクト、または公共のトイレが近くにある場合など、仮設トイレを設置する必要がないケースもあります。

仮設トイレを設置しない判断をとる際は、作業員の健康と安全、そして利便性を最優先事項として考えましょう

たとえば、公共のトイレが近くにあったとしても規模が小さく常に混んでいたり、衛生的でなかったりする場合は、やはり仮設トイレの設置を検討すべきです。

ただし、仮設トイレを設置しないことにした場合でも、作業員のニーズを満たす適切な代替措置を選ぶことが重要です。

工事現場における仮設トイレの重要性

建設現場の仮設トイレは、国土交通省が推進する快適トイレによって、清潔で使いやすい環境へと変わりつつあります。

女性技術者を含む、すべての作業員が気持ちよく利用できるように、さまざまな仕様が満たされた水洗式トイレが標準化されており、現場での満足度向上に貢献しています。

一方で、積算や設置基準に関する詳細はプロジェクトごとに異なる場合があるため、正確な計画と管理が求められることも事実です。

仮設トイレの設置やメンテナンスでご不明な点がある場合、または専門的なサポートが必要な場合は、ぜひワールドシェアセリングまでご連絡ください。

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