
現代ではスマホやイヤホンなど様々な機器に使われているリチウムイオン電池。
しかし、バッテリーの劣化や破損による火災事故もふえています。
リチウムイオン電池はひとたび燃え始めると鎮火は困難といわれています。
そういった事故を防ぐためにも「熱源近くに置かない」「少量ずつ保管する」「密閉、耐熱で管理する」などの措置が必要になってきます。
この記事では工場や人を守るためにもリチウムイオン電池の適切な保管方法をご紹介していきます。

リチウムイオン電池とは

リチウムイオン電池とは、リチウムイオンによって電力を作り出すタイプの電池です。「リチウムイオン電池」「リチウムポリマー電池」「リン酸鉄リチウム電池」の種類に大別されます。最近になってよく利用されているのは、リン酸鉄リチウム電池です。
一般的な用途にも使われますが、企業の製品や工場の道具、機械にも利用されます。
一般向けではスマートフォンやモバイルバッテリーなど、充電池を電力源とするものは採用されることがほとんどです。また小型電気自動車にも用いられています。工業や産業においては、エネルギー設備や産業用ロボット、通信基地、再生可能エネルギー設備でも利用例が見られます。
しかし消防法においては「第四類第二石油類」であり、危険物に該当します。1,000リットル以上のリチウムイオンを保有するには、危険物倉庫で保管しなければなりません。
リチウムイオン電池の保管方法

リチウムイオン電池は危険物であり、正しく保管をする必要があります。それでは具体的に、どのような方法で保管するべきでしょうか?一般的なリチウムイオン電池と、リチウムイオン電池が使われている製品の保管方法について見ていきましょう。
一般的なリチウムイオン電池の保管方法
一般的に利用されているリチウムイオン電池を保管するには、次の3つのポイントを守るようにしてください。
【リチウムイオン電池の保管方法】
- 過充電・過放電を避ける
- 高温環境を避ける
- 金属製品と一緒にしない
まずは充電や放電をし過ぎないように管理することが大切です。
充電率は60%程度を目安にするのが良く、充電量がなくなったらなるべく早く充電しましょう。
そして保管する際には高温環境を避け、常温にて保管します。
理想的な環境は-20~40℃、湿度45~85%の環境下です。
また金属製品と一緒に保管すると、ショートする恐れがあります。
ネックレスやヘヤピン、硬貨などの金属とは別に保管することもポイントのひとつです。
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リチウムイオン電池が使われている製品の保管方法
リチウムイオン電池が使われている製品の保管方法は、次の6つを意識しましょう。
【リチウムイオン電池が使われている製品の保管方法】
- 危険物倉庫にて保管する
- 保管数量によっては届け出を行う
- 倉庫周辺の環境整備を行う
- 適切な温度を保てる場所で保管する
- 充放電サイクルを管理する
- 定期的な点検を行う
リチウムイオン電池は消防法によって危険物と定められています。
保管する数量によっては届け出が必要であり、保管環境を整備することが求められるものです。
そのため、消防法における適切な環境を整える必要があります。
環境を整えたなら、倉庫内の温度を40℃以下に保つようにし、寿命を伸ばすために充放電サイクルを管理してください。
さらに異常発火を防ぐために、定期的な点検をすることも欠かせません。
リチウムイオン電池を長持ちさせるためのポイント

リチウムイオン電池を長持ちさせるには、こまめに充電しながら「40~85%」くらいの充電具合を維持しましょう。満充電や充電切れで放置していると、劣化が進みやすくなるとされます。ある程度充電した状態を保つようにすると長持ちします。
リチウムイオン電池は保管方法を守って寿命をのばして

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、リチウムイオン電池の保管方法がご理解いただけたと思います。
リチウムイオン電池は正しく保管しなければ、放電したり液漏れしたりして、寿命が縮んでしまうことがあります。また消防法において危険物とされているため、製品によっては危険物保管倉庫での管理が求められています。
適切な保管方法を行うことで、発火したり電池の寿命が極端に短くなったりしてしまうことを防いでいきましょう。
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参照:(PDF)リチウムイオン蓄電池を貯蔵する倉庫やリチウムイオン蓄電池設備に関する公的な法規制の調査について
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